セトウツミ

セトウツミ

『セトウツミ』は、此元和津也による日本の漫画作品であり、原作として映画、テレビドラマ、舞台にも展開された作品です。この作品は、関西地方の大阪を舞台に、男子高校生の瀬戸小吉と内海想が放課後に河辺で繰り広げる日常的な会話劇が中心となっています。漫画は2013年5月号から2017年12月号まで、秋田書店の『別冊少年チャンピオン』で連載されていました。そのキャッチコピーは「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」となっています。

あらすじ

物語は、高校生活を送る瀬戸と内海が河原の階段に腰を下ろし、特に大きな出来事も起こらず、ただたわいもない話を交わしながら時間をつぶす様子から始まります。一見すると、無目的でダラダラとした日々のようですが、内海には秘密の計画がありました。彼は自らの姉の誕生日である2月19日に家族を抹殺するつもりでした。この河原での会話は、実はその殺人計画のアリバイ作りだったのです。

計画実行の日、彼の前には焼死したはずの父と姉が現れ、すべてが明らかになります。内海の計画は瀬戸によって台無しにされ、結果として失敗してしまいました。その後、内海は初めて父に逆らい、自らの心の中に川辺での時間が持つ特別な意味に気づき、再び河原でのんびりと過ごすことを選びます。

登場人物

本作には魅力的なキャラクターが多数登場しますが、主なメインキャラクターには以下のような人物がいます。

瀬戸 小吉（せと しょうきち）

主人公の一人であり、高校2年生の男子です。1970年代のUKパンクスタイルを貫いた髪型が特徴で、自由気ままに時間を過ごす彼は、放課後の暇つぶしに河原によく来ます。サッカー部を脱退した理由は、先輩を無視してフリーキックをしたことにあり、現在は樫村さんに恋をしています。

内海 想（うつみ そう）

もう一人の主人公。彼も高校2年生ですが、瀬戸とはクラスが異なります。冷静に見える内海は、両親の期待に背負われながらも、徐々に自己を見失っています。彼の家庭環境は厳しく、姉と自分との間で愛情が偏り、居場所を求め川辺に現れます。

樫村 一期（かしむら いちご）

美しい女子生徒で、クラスが瀬戸と同じ。彼女は内海に興味を持っていますが、その気持ちはなかなか実らず、内海への想いを巡らせています。彼女の存在が、物語に緊張感を与える重要な役割を果たします。

他にもハツ美や田中らのキャラクターが物語を彩り、彼らの葛藤や友情が描かれています。

メディア展開

本作品は映画化やドラマ化もされており、映画は2016年に公開され、監督は大森立嗣が務めました。『月刊少年チャンピオン』では、特別企画として『セトウツミ外伝』も掲載され、瀬戸と内海の関係や彼らの日常が描かれています。また、2023年には舞台化もされ、さまざまな形で楽しむことができます。

メディアごとに異なるアプローチでのストーリーテリングが行われ、ファンに親しまれている作品となっています。これからも『セトウツミ』の物語がどのように展開していくのか期待が高まるばかりです。

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