セブン・オブ・ナイン

セブン・オブ・ナイン：ボーグから人間へ、波瀾万丈な人生

セブン・オブ・ナイン（Seven of Nine）こと、アニカ・ハンセンは、『スタートレック:ヴォイジャー』に登場する、元ボーグドローンという異色の経歴を持つ人物です。幼い頃にボーグに同化され、集合体の一部として生きてきましたが、ヴォイジャーとの出会いが彼女の運命を大きく変えました。

生い立ちとボーグ同化

2350年、アニカ・ハンセンはティンダラ・コロニーで生まれました。7歳の時、両親と共に乗っていた調査船がボーグに襲撃され、同化されてしまいます。両親はボーグに関する調査を行っていたものの、その詳細は不明です。この時、彼女が乗っていたUSSレイヴンは、後にUSSヴォイジャーによって再発見されています。

ヴォイジャーでの変革

生命体8472に対抗するため、ボーグとUSSヴォイジャーが共同戦線を張った際、セブンは連絡将校として派遣されました。彼女は自身を「ユニマトリックス01の第3付属員セブン・オブ・ナイン」と名乗り、その名前で呼ばれることを要求しました。8472撃退後、セブンはヴォイジャーを同化しようと試みましたが失敗し、艦に留まることになります。

その後、ヴォイジャーのドクターによってボーグ集合体から切り離されたセブンは、人間性を取り戻すためのレッスンを受けます。ドクターや他のクルーとの交流を通して、彼女は徐々に感情を取り戻していきます。しかし、感情レベルが一定以上に高まると機能停止してしまうため、完全に人間的な感情を開放することはできませんでした。チャコティへの恋愛感情が機能停止を引き起こした際には、原因となる装置の除去を拒否しましたが、最終的にはドクターの手術によって除去されました。

セブンは集合体の名残で孤独を苦手とする一方、人間関係も得意ではありません。しかし、ボーグとの対決では、彼女の経験が活かされ、再同化を阻止することに成功します。合理性と完全性を追求する姿勢はボーグ時代から変わらず、それが原因でトラブルを起こすこともありました。ベラナ・トレスとは衝突を繰り返しましたが、様々な経験を通して関係を修復し、副長のチャコティとは恋愛関係に発展しました。ジェインウェイ艦長を尊敬し、彼女の人間性を取り戻してくれたことに感謝しています。

サイバネティック生命体としての性質は完全には失われておらず、アルコーブでの睡眠、義眼、皮質ノードの必要性など、ボーグ由来の特徴が残っています。定期的な健康診断とメンテナンスは欠かせません。血液中のナノプローブは、医療行為に利用されることもあります。セブンはボーグテクノロジーの知識と特殊な能力を活かし、ヴォイジャーの危機を何度も救いました。主な勤務場所は天体測定ラボです。

ピカードでの活躍

『スタートレック: ピカード』では、ヴォイジャー帰還後のセブンの姿が描かれています。宇宙艦隊への参加を却下された彼女は、治安の悪い星域で自警団フェンリス・レンジャーに加わります。イチェブの死をきっかけに復讐に身を投じ、ロミュラン人の救出やボーグとの戦いに身を投じます。

シーズン2では、スターゲイザーの艦長となったリオスの後を継ぎ、ラ・シレーナ号を受け継いでフェンリス・レンジャーの活動を続けます。Qによって別の時間軸に飛ばされ、ボーグ・クイーンによって再びナノプローブを注入されるなど、過酷な試練を乗り越えます。元の時間軸に戻った後は、スターゲイザーの指揮官となり、融和的なボーグ集合体と協力して危機を阻止しました。

シーズン3では、ピカードとジェインウェイの推薦により正式に艦隊に入隊し、U.S.S.タイタンの副長となります。ピカードを助けるために艦長を欺くなど、大胆な行動に出ることもありました。可変種とボーグの陰謀を阻止し、タイタンを奪還するために戦い、最終的には殉死したショーから艦長に任命されます。ボーグ・キューブ破壊後、大佐に昇進し、エンタープライズ-Gの艦長として新たなスタートを切りました。

艦隊ミュージアムでヴォイジャーを見た際、セブンはかつてのクルーが家族であったことを語り、ヴォイジャーとそのクルーが彼女にとってかけがえのない存在であることを示しました。

家族

マグナス・ハンセン（父）
エリン・ハンセン（母）
アイリーン・ハンセン（叔母）
ワン（息子？）

セブン・オブ・ナインは、ボーグとしての過去と人間としての未来の間で葛藤しながらも、常に前向きに生きる魅力的なキャラクターです。彼女の波瀾万丈な人生は、多くのファンを魅了し続けています。

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