セミオートマット

セミオートマットとは、フィルムカメラ、特に中判カメラで使用されるフィルム装填方式の一つで、スタートマーク式とも呼ばれます。この方式は、120フィルムのようなリーダーペーパーを持つフィルムを使用するカメラに採用されています。

仕組み

セミオートマット方式では、まずフィルムのリーダーペーパーをスプールに巻き付けます。次に、フィルム裏紙に印刷されたスタートマークと、カメラ本体に示されたスタートマークの位置が一致するまでフィルムを巻き上げます。この位置を合わせる作業は手動で行われます。その後、カメラの裏蓋を閉じ、フィルムが自動的に停止するまで巻き上げると、1コマ目が撮影可能な状態になります。以降は、シャッターを切るたびにフィルムが自動的に1コマ分巻き上げられ、次の撮影準備が整います。

オートマットとの比較

このセミオートマット方式は、スタートマークの位置合わせまでを自動化した「オートマット」方式と比較して、製造コストを抑えることができるという利点があります。実用上、セミオートマットで十分な機能を発揮できるため、特に機械式のカメラにおいては主流の方式として採用されてきました。

かつては、「オートマット」と名乗るカメラの多くが、実際にはこのセミオートマット方式を採用していました。しかし、廉価なカメラでは赤窓を通してフィルム裏紙のコマ数を確認する方式が一般的で、セミオートマット機構を搭載しているカメラは中級以上の機種に限られていました。現在では、中判カメラの高級化が進み、また、セミオートマット機構を必要とする220フィルムが登場したこともあり、セミオートマット機構の搭載は中判カメラでは一般的となっています。

セミオートマットの意義

セミオートマット方式は、フィルム装填の正確性と簡便性を両立させるための合理的な解決策です。手動でスタートマークを合わせる必要があるものの、その後の巻き上げは自動化されているため、ユーザーはフィルム装填の手間を大幅に削減できます。これにより、撮影者はより撮影に集中することができ、快適な撮影体験に繋がります。

関連用語

オートマット: フィルム装填を完全に自動化する方式。
赤窓: フィルム裏紙のコマ数を確認するための窓。

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