セメントミキサーズ

セメントミキサーズ：イカ天キングからソロ活動へ

セメントミキサーズは、栃木県足利市出身のメンバーによって結成された日本のロックバンドです。1989年、当時人気絶頂だったTBSの音楽番組『三宅裕司のいかすバンド天国』（通称『イカ天』）への出演をきっかけに、その名を全国に知らしめました。

1989年5月27日の『イカ天』出演において、平均年齢の開きが大きなメンバー構成（ボーカルの鈴木常之さんは当時35歳、ベーシストの増田俊行さんは18歳）が話題を呼び、「子供だましバンド」という愛称で親しまれることになります。その回でチャレンジャー賞を獲得し、さらに、6代目イカ天キングだったJITTERIN'JINNを破って7代目イカ天キングの座に就いたのです。その後も3週に渡り勝ち抜き、番組を盛り上げました。この活躍は番組内で『イカ天戦国時代』と呼ばれるほど注目を集めました。

『イカ天』で演奏された楽曲「ヒ・メ・ジ」「東京ラッシャイ」「真っ赤な夕陽が燃えている」などは、彼らの代表曲として現在も高い人気を誇っています。特に「真っ赤な夕陽が燃えている」は、マレーシアの歌手、張少林氏によって客家語でカバーされ、同国で中国系住民を中心に広く愛される楽曲となっています。

1990年10月21日にはアルバム『笑う身体』でメジャーデビューを果たします。しかし、1991年7月21日にシングル『それがどうした!!』を発表した後、活動を縮小し、解散することになります。

セメントミキサーズ解散後、ボーカルギターの鈴木常之さんはソロアーティスト「鈴木常吉」として活動を続けました。音楽ユニット「つれれこ社中」への参加や、数々のソロアルバムを発表、さらにテレビドラマ『深夜食堂』のオープニングテーマ「思ひで」も担当するなど、音楽家としての道を歩み続けました。また、俳優としても活動し、映画『オーバー・フェンス』などに出演しています。2020年7月6日、食道癌のため65歳で逝去されました。

セメントミキサーズは、短期間の活動ながらも、独特の音楽性と個性的なメンバーによって、多くのファンを魅了しました。彼らの音楽と、特にボーカル鈴木常之さんの功績は、今もなお多くの人々の記憶に刻まれています。

メンバー

鈴木常之（すずき つねゆき）：ボーカル＆ギター。解散後は鈴木常吉として活動。
茂木功（もてぎ いさお）：ボーカル＆ギター
増田俊行（ますだ としゆき）：ベース
松村孝之（まつむら たかゆき）：パーカッション
佐藤揚彦（さとう あきひこ）：2代目ドラム
斎藤泰男（さいとう やすお）：トランペット（メジャーデビュー前に脱退）
* 姫野雅彦（ひめの まさひこ）：初代ドラム（『イカ天』出演後脱退）

楽曲

セメントミキサーズは、『イカ天』出演時に「ヒ・メ・ジ」「東京ラッシャイ」「真っ赤な夕陽が燃えている」「山田一郎 四二才」などを演奏しました。アルバム『笑う身体』には、これらの楽曲に加え、オリジナル曲が収録されています。シングル『それがどうした!!』は、グリコやJOBTIMEのCMソングとして使用され、メンバーの鈴木、茂木もCMに出演しました。また、『それがどうした!!』のカップリング曲「きりがない」は、日本テレビの番組『マジカル頭脳パワー!!』の初代エンディングテーマにもなりました。

鈴木常吉のソロ活動

鈴木常吉名義でのアルバムには「ぜいご」「望郷」「深夜食堂のうた」「オールウェイズラッキー」などがあり、シングルには「雨」があります。また俳優としても活動し、『プ - レイブン役』『わたしたちの夏 - 庄平役』『オーバー・フェンス - 勝間田憲一役』『夜明け - 米山源太役』『俳優 亀岡拓次 - アコーディオン奏者役』などの映画に出演しています。

セメントミキサーズの短い活動期間は、日本の音楽史において、独特の輝きを放つ存在として記憶されています。彼らの音楽は、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。

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