セリエA (サッカー) 1932-1933

セリエA 1932-1933

1932年から1933年にかけて開催されたイタリアサッカーリーグの最高峰、セリエAは、このシーズンをもって1898年の創設以来、通算33回目の開催を迎えました。また、全国規模での単一リーグ制が導入されてからは、数えて4シーズン目にあたります。前シーズンから引き続いて、国内の強豪クラブが一堂に会し、栄光のスクデット（イタリアリーグ優勝）を目指して激しい競争を繰り広げました。

リーグ参加チームの変動

このシーズンを迎えるにあたり、前年の1931-1932シーズン終了時には、セリエAの舞台からブレシアとモデナの二つのクラブがセリエBへの降格を余儀なくされました。一方で、セリエBからの厳しい昇格争いを勝ち抜き、新たにセリエAへの参戦を果たしたのは、パレルモとパドヴァでした。これら昇格組の参入により、リーグ全体の勢力図に新たな動きが加わり、各クラブにとって挑戦的なシーズンとなりました。

シーズンの概要とユヴェントスの覇権

1932-1933シーズンの最大のハイライトは、何と言ってもユヴェントスの圧倒的な強さでした。前シーズン王者として臨んだユヴェントスは、その地位を揺るぎないものとすべく、年間を通じて安定したパフォーマンスを披露しました。彼らは見事な戦術と個々の選手の高い能力を融合させ、リーグ戦を優位に進めました。その結果、ユヴェントスはこのシーズンも優勝トロフィーを掲げ、クラブ史上初めてとなる3シーズン連続でのスクデット獲得を達成しました。これはクラブの歴史に燦然と輝く記録であり、通算優勝回数も5回目となりました。当時のイタリアサッカー界におけるユヴェントスの強力な支配力を象徴する出来事と言えるでしょう。

個人タイトル：フェリーチェ・ボレールの輝き

チームの栄光に加え、個人タイトルにもユヴェントスの選手が名を連ねました。チームの攻撃陣を牽引したストライカー、フェリーチェ・ボレールがこのシーズンのセリエA得点王に輝きました。彼の得点感覚と決定力はチームの勝利に大きく貢献し、ユヴェントスの3連覇という偉業達成の重要な要素の一つとなりました。

リーグ戦の仕組み

このシーズンのセリエAには、国内各地から選ばれた複数のクラブが参加し、ホーム・アンド・アウェイ方式によるリーグ戦が行われました。最終的な順位は、年間を通じて獲得した勝点によって決定されました。勝点が並んだ場合には、以下の基準が順に適用されました。

1. 勝点
2. 得失点差
3. 得点数

この明確な順位決定基準のもと、各クラブは最後までフェアな競争を展開し、熱戦が繰り広げられました。

まとめ

セリエA 1932-1933シーズンは、ユヴェントスが3シーズン連続、通算5回目のスクデットを獲得し、絶対的な強さを見せつけたシーズンとして記憶されています。フェリーチェ・ボレールの得点王獲得も、ユヴェントスの輝かしい成績に花を添えました。昇降格を経て顔ぶれの変わったリーグで、各クラブが持てる力を出し切り、イタリアサッカーの歴史に新たな1ページを刻んだシーズンでした。

本記事の作成にあたっては、RSSSFのデータや、フランコ・チェレッティ著『セリエAの20世紀』といった信頼できる情報源を参照しました。これらの資料は、当時のリーグ戦の詳細や歴史的背景を理解する上で非常に有益です。

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