セリエA (サッカー) 1946-1947

セリエA 1946-1947シーズン：戦後イタリアサッカーの復活

イタリアサッカーリーグの最高峰であるセリエAにとって、1946-1947シーズンは特別な意味を持つ大会でした。1898年にその歴史が始まって以来45回目、そして単一リーグ制となってからは15回目の開催となったこのシーズンは、第二次世界大戦の影響により1942-1943シーズンを最後に中断を余儀なくされていたセリエAが、戦後初めて単一リーグとしての形式で復活を遂げた大会として記憶されています。

戦前には1942-43シーズンまでリーグが行われていましたが、戦争の激化により中断。戦後、1945-1946シーズンにはディヴィジオーネ・ナツィオナーレという過渡的な大会形式を経て、この1946-1947シーズンから再び、全国規模での単一リーグとしてセリエAが再開されたのです。参加チームは戦前の水準に戻り、合計20チームがイタリア各地から集結し、栄えあるスクデット（優勝）を目指して熱戦を繰り広げました。

トリノの黄金時代

このシーズンの主役は、間違いなくトリノでした。彼らはこの時期、「グランデ・トリノ」として称される黄金時代を築いており、圧倒的な強さを見せつけました。リーグを支配したトリノは、見事に3シーズン連続、クラブ史上4回目のセリエA優勝を達成しました。これは、戦前から続く彼らの強さが戦後も健在であることを示すものであり、イタリアサッカー界におけるその存在感を改めて知らしめる結果となりました。

優勝チームであるトリノからは、偉大なキャプテンであり、チームの心臓であったヴァレンティーノ・マッツォーラが得点王に輝きました。彼の卓越したプレーと得点能力は、チームの圧倒的な攻撃力を牽引し、スクデット獲得に大きく貢献しました。マッツォーラは、この後もトリノ、そしてイタリア代表の中心選手として活躍することになります。

特例措置と社会情勢

このシーズンには、リーグの順位決定に関わる特例措置も存在しました。本来であれば規定によりセリエBへの降格が決まるはずだったトリエスティーナには、特別な配慮がなされました。第二次世界大戦後の混乱期におけるホームタウンであるトリエステ市が置かれた、非常に困難かつ特異な社会的状況（特に領土問題など）が考慮された結果、彼らのセリエA残留が認められたのです。これは、戦後のイタリア社会情勢がサッカーリーグの運営や結果にも影響を与えた事例として、歴史に刻まれています。

順位の決定基準は、基本的に以下の通りでした。

1. 勝点
2. 得失点差
3. 総得点

シーズンの意義

セリエA 1946-1947シーズンは、単に一つの優勝チームが決まったシーズンというだけでなく、第二次世界大戦によって中断されていたイタリアサッカーのトップリーグが、再び全国規模で組織的に再開されたという意味で、イタリアスポーツ史における重要な節目となりました。戦災からの復興が進む中で、サッカーは人々に希望と活力を与える存在として、その役割を改めて認識されることとなったのです。

このシーズンの詳細な記録やデータは、サッカー史の研究資料として重要であり、特にスポーツ統計サイト「RSSSF」などがその情報を整理しています。また、イタリアサッカーの歴史を綴った書籍、例えばフランコ・チェレッティ著『セリエAの20世紀』のような文献にも、この時代の記録が詳述されており、当時の様子を知る貴重な手がかりとなっています。

このように、1946-1947シーズンのセリエAは、戦後イタリアにおけるサッカーの再出発を象徴する大会であり、トリノの黄金期、スター選手の活躍、そして社会情勢の影響など、様々な側面から語られるべき歴史を持っています。

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