セリエA (サッカー) 1951-1952

セリエA 1951-1952

イタリアサッカーリーグの最高峰であるセリエAは、1951-1952シーズンにおいて、1898年の創設から数えてちょうど50回目の開催となりました。また、単一リーグ制に移行してからは20回目のシーズンにあたります。前シーズン、1950-1951シーズンの覇者はミランでした。

シーズンの顔ぶれと昇降格

前シーズンの結果、セリエAからセリエBへの降格を余儀なくされたのは、歴史と人気のあるクラブであるローマとジェノアでした。これに代わり、セリエBからセリエAへの昇格を果たし、新たにトップリーグに加わったのは、スパルとレニャーノの2チームです。この昇降格により、リーグの勢力図や対戦カードに変化が生じました。

昇降格レギュレーションの変更

この1951-1952シーズンにおける最も注目すべき点の一つに、シーズン前の昇降格に関するルールの変更がありました。当初、イタリアサッカー連盟は翌1952-1953シーズンからセリエAの参加チーム数を現在の20から18に削減する方針を立てており、そのために今シーズン終了時には下位3チームが無条件でセリエBへ降格し、セリエBからは優勝チームのみが昇格するという、非常に厳しいレギュレーションを予定していました。

しかし、イタリアサッカー連盟の会長であったオットリーノ・バラッシ氏は、前年にセリエBへ降格してしまったローマやジェノアといった、イタリア国内で非常に人気があり、集客力も高いクラブへの配慮が必要だと考えました。その結果、当初のチーム数削減計画とレギュレーションは見直されることになりました。変更後の新たなルールでは、セリエAの最下位から4番目のチーム、すなわちリーグで17位となったチームが、セリエBで2位となったチームと中立地で一試合の入れ替え戦を行う形式が採用されました。この変更により、セリエBからセリエAへ昇格できるチーム数は、最大で2チームとなる可能性が生まれました。このルール変更は、リーグ全体の安定と人気維持を図るための重要な措置と見られています。

リーグ優勝と得点王

激しい優勝争いを勝ち抜き、このシーズンのスクデット（リーグ優勝）を獲得したのはユヴェントスでした。ユヴェントスは、1949-1950シーズン以来となるリーグタイトルを獲得し、クラブにとって通算9回目のセリエA優勝という輝かしい記録を達成しました。当時のユヴェントスは強力なチームを擁しており、その実力を証明する結果となりました。

個人のパフォーマンスでは、優勝チームであるユヴェントスに所属していたデンマーク代表フォワード、ヨン・ハンセンが際立った活躍を見せました。彼はこのシーズンのセリエAで最も多くの得点を挙げ、得点王に輝きました。ハンセンの決定力は、ユヴェントスの優勝に大きく貢献しました。

残留争いとプレーオフ

シーズン終盤、降格圏からの脱出をかけた残留争いは、優勝争いと同様に激しいものとなりました。特に、自動降格となる18位以下の順位と、入れ替え戦に臨む17位の座を巡って、複数チームが勝ち点差の少ない状況で競り合いました。

レギュラーシーズンが終了した時点で、USトリエスティーナとASルッケーゼが勝ち点において並び、17位タイとなりました。このため、最終順位を決定するため、両チームは中立地で順位決定戦を実施することになりました。この重要な一戦に勝利したトリエスティーナが正規の17位となり、セリエB 2位チームとの入れ替え戦への出場権を獲得しました。一方、この試合に敗れたルッケーゼは18位が確定し、無条件でセリエBへの降格が決定しました。

17位となったトリエスティーナは、セリエBでリーグ戦を2位で終えたブレシアと、セリエA残留をかけた一発勝負の入れ替え戦に臨みました。中立地で開催されたこの運命の一戦で、トリエスティーナはチーム一丸となった戦いを見せ、見事勝利を収めました。この勝利により、トリエスティーナはセリエAへの残留を確定させ、トップリーグの地位を守りました。惜しくも敗れたブレシアは、セリエA昇格のチャンスをこの場で逃し、来シーズンの再挑戦を期すこととなりました。

このように、1951-1952シーズンのセリエAは、ユヴェントスの優勝、歴史的な節目、そして昇降格レギュレーションの変更やプレーオフによるドラマチックな展開など、多くの要素が絡み合い、記憶に残るシーズンとなりました。

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