セリエA (サッカー) 1986-1987

セリエA 1986-1987

イタリアのサッカーリーグにおける最高峰、セリエAは、1986年から1987年にかけて、その歴史において極めて象徴的なシーズンを迎えました。これは、1929-1930シーズンに現代のリーグ形式へと移行して以来、通算で55度目の開催となったシーズンです。

このシーズンの最大のトピックは、SSCナポリがクラブ史上初めてスクデット（イタリアリーグ優勝）を獲得したことにあります。

ナポリ、歴史を創る

オッタヴィオ・ビアンキ監督に率いられたSSCナポリは、このシーズン、圧倒的な存在感を放ちました。チームの中核には、サッカー史にその名を刻むアルゼンチンのスーパースター、ディエゴ・マラドーナがいました。彼の魔法のようなプレーは、ナポリの攻撃を牽引し、チームに勝利をもたらす原動力となりました。マラドーナに加え、イタリア代表のストライカーであるブルーノ・ジョルダーノなど、実力ある選手たちがナポリの快進撃を支えました。

ナポリは、リーグの終盤まで当時のイタリア王者であったユヴェントスFCと熾烈な優勝争いを展開しました。粘り強く、そして時に華麗なサッカーを見せたナポリは、最終的にユヴェントスを抑え、3ポイントの差をつけてリーグ戦を制覇しました。これは、それまで北部や中部のクラブが優勝を独占してきたセリエAにおいて、南部のクラブが初めて成し遂げた偉業であり、ナポリという都市全体が熱狂に包まれました。

南部初のスクデット

SSCナポリのこの優勝は、単なるスポーツのタイトル獲得以上の意味を持っていました。イタリア国内における北部と南部の経済的・文化的な格差が語られる中で、ナポリのスクデット獲得は、南部の人々にとって大きな誇りとなり、社会現象とも呼べるほどの熱狂を生み出しました。マラドーナは、ナポリの街にとって希望の象徴となり、彼の存在はクラブと都市のアイデンティティと深く結びつきました。

シーズンの構造と記録

1986-1987シーズンのセリエAは、優勝争いの他にも、UEFAカップ出場権を巡る争いや、厳しい残留争いが繰り広げられました。特に欧州カップ戦出場権に関しては、レギュラーシーズン終了後にUEFAカップ出場プレーオフが開催されるなど、規定に基づいた熱戦がありました。

シーズン全体の成績を示す順位表や、個々の選手の活躍を記録する得点ランキングといった公式記録は、このシーズンの激戦ぶりを後世に伝えています。

この1986-1987シーズンは、ディエゴ・マラドーナという不世出の才能がセリエAの頂点に立ち、SSCナポリに歴史的な栄光をもたらした記憶に残るシーズンとして、イタリアサッカー史に深く刻まれています。

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