セルウィン・カレッジ (ケンブリッジ大学)

ケンブリッジ大学セルウィン・カレッジ：伝統と学術の調和

セルウィン・カレッジは、1882年、ニュージーランド初代司教、のちにリッチフィールド司教も務めたジョージ・アウグスタス・セルウィンを記念して設立されました。ケンブリッジ大学を構成するカレッジの一つとして、歴史と伝統に彩られた風格ある佇まいが魅力です。

建物の歴史と構成

石とレンガ造りの3つの主要なコート（オールドコート、アンズコート、クリップスコート）を中心に、周辺には学生寮となるタウンハウスやロッジが点在しています。1880年代に建設が始まったオールドコートは、ビクトリア朝後期の垂直ゴシック様式を反映した美しい建築様式です。塔、門、マスターズロッジ、チャペル、ホール、キッチン、音楽練習室、アーカイブなど、多くの施設を擁しています。1929年に建てられた図書館は、第一次世界大戦の戦没者を追悼する記念碑でもあります。クリップスコートは1969年に開設され、学生用の個室を備えた近代的なデザインが特徴です。

伝統と儀式

セルウィン・カレッジでは、伝統的なフォーマルホールが毎週火曜日と木曜日の夜に開催されます。学生は同伴者と参加でき、特別な機会にはハーフウェイホールやクリスマスフォーマルも行われます。フォーマルホールでは、大学のスタッフが調理した3コースまたは4コースの食事が提供されます。フェローやカレッジ長はハイテーブルに着席し、学生は長いテーブルを囲みます。食事の際の祈りと乾杯の儀式は、カレッジ独自の伝統を反映しています。特に、ロイヤル・トーストは、初代マスターのジョン・セルウィンの配慮から生まれた伝統として受け継がれています。

学術活動とレクチャーシリーズ

セルウィン・カレッジは、活発な学術活動でも知られています。1994年には、卒業生であるラムゼイ・マレーにちなんだレクチャーシリーズが設立され、これまでに多くの著名な政治家、学者、ジャーナリストが講師を務めています。このレクチャーシリーズは無料で一般公開されており、地域社会への貢献にも繋がっています。

学生生活

セルウィン・カレッジは、伝統と親しみやすさを兼ね備えたカレッジとして知られています。他のカレッジの学生との交流も盛んで、フォーマルスワップなども開催され、活気ある学生生活が送られています。学生はすべての正式な行事や式典でガウンを着用する必要があります。

大衆文化におけるセルウィン・カレッジ

セルウィン・カレッジは、小説や映画などにも登場しています。トム・シャープの小説『ポーターハウス・ブルー』では風刺的に描かれていますが、2014年の映画『博士と彼女のセオリー』では、物理学者スティーブン・ホーキングの生涯の一部を舞台として描かれています。

まとめ

セルウィン・カレッジは、歴史と伝統、活気ある学生生活、そして高い学術レベルを兼ね備えた魅力的なカレッジです。美しい建物、伝統的な儀式、著名な講師陣、そして活気あふれる学生コミュニティは、セルウィン・カレッジをケンブリッジ大学を代表するカレッジの一つにしています。今後も、その伝統を守りながら、時代の変化に対応し、発展していくことでしょう。

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