セルゲイ・ナカリャコフ

セルゲイ・ナカリャコフについて

セルゲイ・ナカリャコフ（Sergei Nakariakov）は、1977年にロシアのニジニ・ノヴゴロドで生まれたトランペット・フリューゲルホルン奏者です。現在はフランスに移住し、イスラエル国籍を持っています。彼はAR Resonanceという楽器を使用し、その卓越した技術と独自の表現力で多くの人々を魅了し続けています。

幼少期からの音楽の道

ナカリャコフは幼少期にピアノを学んでいましたが、9歳の時に交通事故に遭い、ピアノを断念せざるを得ませんでした。その後、彼は父親の指導のもとでトランペットに転向し、音楽の道を歩み始めました。10歳の時にはオーケストラとの初共演を果たし、音楽的才能を開花させます。1991年にはザルツブルク音楽祭でデビューを飾り、その後も活躍の場を広げてゆきました。

15歳になると、テルデック・インターナショナル（現ワーナー）と契約し、CDデビューを果たしました。日本でもエイベックスから彼のCDがリリースされており、特に日本の吹奏楽専門誌『バンドジャーナル』では「トランペットの貴公子」として称賛されました。

確固たる地位の確立

セルゲイ・ナカリャコフは、多くの演奏会やコンクールに参加し、その名声を確固たるものにしました。2002年10月13日にドイツのフォノ・アカデミーが主催したECHOクラシック賞で最優秀器楽奏者部門に選ばれ、受賞の様子がドイツのテレビ局ZDFで放映されました。その受賞は彼のキャリアにおいて大きな転機となりました。

さらに、2006年にはイングランドのニューカッスル＝ゲイツヘッドで開催されたBBC主催の若手最優秀演奏家コンクールで審査団の一員も務めました。このように、彼は演奏活動のみならず、音楽界での影響力も高めていきました。

新作初演と演奏活動

ナカリャコフは新曲の初演に積極的に取り組んでおり、2009年にはハンブルク国立管弦楽団と共演し、クリスチャン・ヨスト作曲のトランペット協奏曲『PIETA』の初演を行いました。この作品は、ジャズトランペッターのチェット・ベーカーに献呈されています。また、ヨルグ・ヴィットマンによって書かれたトランペット協奏曲『ad absurdum』も、彼の超絶技巧と循環呼吸を意識して作曲された作品として知られています。

この作品は2006年にミュンヘン室内管弦楽団と初演した後、各地のオーケストラと共演し、好評を博しました。特に、2007年にはBBC交響楽団との演奏会がロンドンのバービカン・ホールで行われ、大成功を収めました。

日本での演奏経験

日本でも多くの演奏活動を展開しています。1998年にはNHKの朝の連続テレビ小説『天うらら』のテーマ曲『うらら・イン・ザ・スカイ』を演奏しました。また、2005年にはNHK大河ドラマ『義経』の紀行テーマの演奏も行い、さらに2001年の日本映画『大河の一滴』にも出演し、テーマ曲を演奏しました。これにより、彼の音楽は広く視聴者に親しまれ、彼の存在感を確立しています。

セルゲイ・ナカリャコフはその実力、独特のスタイル、そして豊かな表現力で国際的な音楽界において名を馳せ続けており、今後の活躍も大いに期待されています。

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