センタータンクレイアウト

センタータンクレイアウトの概要

センタータンクレイアウトは、本田技研工業が軽自動車や小型乗用車に導入している燃料タンクの搭載方法です。このレイアウトは、居住空間の快適さを保ちながらも荷物を多く積載できるように設計されています。また、1999年に発生した東名高速飲酒運転事故を受け、燃料タンクを後部座席から離れた中央に配置することで安全性が向上しています。

概念とメリット

小型車のデザインにおいて、一見相反する二つの要求があります。一つは車内が居住性良好であること、もう一つは車体寸法を拡大せず、大きな荷物（スノーボードや自転車）を積むことができることです。センタータンクレイアウトはこの課題に応じた革新的な解決策として機能し、燃料タンクを薄型樹脂製にして車両の中央、前部座席の下に配置しています。

この配置により、後部座席を従来の燃料タンクがあった位置に格納でき、トランクスペースや車室内を効率的に利用可能にします。結果として、運転時の低重心化も実現し、小型車の課題である走行安定性を向上させています。特にホンダのフィットでは、このレイアウトにより後部座席の収納スペースが、同クラスの他の小型車に比べて約1.7倍となっています。

採用車種

センタータンクレイアウトは、様々なホンダの車両で採用されています。具体的には、以下のモデルがその例です。

• - フィット （初代 GD#、2代目 GE#、3代目 GK#、4代目 GR#）
• - フィットアリア （GD#）
• - シティ （東南アジア仕様 2代目 GD#/GE#、3代目 GM2、4代目 GM6）
• - フィットハイブリッド （初代 GP1/4、2代目 GP5/6）
• - フィットシャトル/フィットシャトルハイブリッド （GG7/8・GP2）
• - モビリオ （GB1/2）
• - エアウェイブ （GJ1/2）
• - シビック （欧州仕様 3代目 FN#）
• - ヴェゼル/ヴェゼルハイブリッド （初代 RU#、2代目 RV#）
• - N-BOX/N-BOX +/N-BOX SLASH （初代 JF1/2、2代目 JF3/4、3代目 JF5/6）

また、三菱のi（HA1W）もこのレイアウトを採用しています。

まとめ

センタータンクレイアウトは、軽自動車や小型乗用車において居住性と積載性を両立させるための画期的な技術です。この設計により、運転の安定性が向上し、利用者にとってより快適で安全な運転環境が提供されています。この技術は、今後の自動車デザインにも大いに影響を与えるものと期待されます。

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