センター・フォー・パブリック・インテグリティ

センター・フォー・パブリック・インテグリティ (CPI) について

センター・フォー・パブリック・インテグリティ（CPI）は、アメリカ合衆国に拠点を置く非営利の調査報道団体であり、権力の濫用や汚職を暴露することを目指しています。CPIの主な目的は、公的機関や私的団体の誠実さと説明責任を促進し、公益を最優先にする運営を実現することです。CPIのチームは50人以上のスタッフで構成されており、アメリカ国内の非営利調査センターとしては最大規模を誇ります。特に政治的に中立な立場を貫くことを自負しており、様々な進歩的な、または自由主義的な価値観をも持つ団体と連携しています。

創立と歴史

CPIは1989年に、ABCニュースやCBSニュースのプロデューサーであるチャールズ・ルイスによって設立されました。ルイスはアメリカの調査報道の現状や政府のあり方に失望し、CPIの設立を決意しました。1990年にはワシントンD.C.にオフィスを開設し、設立初年度から20万ドルの予算を持ち、活動をスタートさせました。その後、CPIは1996年に最初のウェブサイトを公開し、2000年以降に本格的にインターネット上で調査報告を発信しました。
また、CPIは1997年に国際調査報道ジャーナリスト連合（ICIJ）を設立し、世界中の調査報道を行うジャーナリストとの国際ネットワークを構築しました。

記事の発表と影響

CPIは、調査報道を通じて得た情報をアメリカ国内外のメディアに供給し、広く報道されることを目指しています。2004年に出版された書籍「The Buying of the President」は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに3ヶ月間名を連ね、多くの人々に議論を呼び起こしました。

組織の発展と変遷

設立からの数年間、CPIは多くの調査報告を発表し、書籍の出版も行いました。特に、2005年には「Capitol Offenders」という作品が発表されましたが、その後著者に剽窃が明らかとなり、CPIはこれを重視し、謝罪や再発防止策を講じました。CPIのリーダーシップは何度か変更されており、ウィリアム・ブゼンバーグが2007年に後任として就任しました。彼はその後、組織の財政状況が厳しいことを認めつつ、組織の維持に尽力してきました。

財政状況と資金提供

CPIは寄付や助成金によって運営されており、企業からの資金提供は1996年以降に停止されました。主に個人の寄付や多くの慈善財団から資金を得ており、その透明性は公式ウェブサイトで確認可能です。CPIは、多くの報告書でジャーナリズムの倫理や政治資金の問題について深く掘り下げています。

主な調査報告と賞

CPIは「America's Frontline Trade Officials」や「Fat Cat Hotel」など、数多くの注目を集める調査報告を発表してきました。また、連邦政府の透明性を促進し、汚職を掘り起こす活動で多くのジャーナリズム賞を受賞しています。特に、2003年に発表した「Windfalls of War」はジョージ・ポルク賞を受賞し、一国の軍事戦略と政治資金の関係に光を当てました。

批判と議論

CPIには多くの肯定的な評価がある一方で、資金提供者との関係から生じる批判もあります。特にジョージ・ソロスからの資金提供が、CPIのジャーナリズムの独立性に疑問を投げかけることがあります。CPI自身は厳密な無党派性を声明しており、この立場を持続するための努力を続けています。

CPIは、これからも公共の利益を守るために重要な調査報告を発表していくことを目指しています。アメリカにおける重要な調査報道の拠点として、権力の監視を続け、社会の透明性の向上に貢献していくことでしょう。

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