センター・ブロック

センター・ブロック（Centre Block）

センター・ブロックは、カナダの首都オタワに位置する国会議事堂の中心的な構造物です。左右には「イースト・ブロック」と「ウエスト・ブロック」と呼ばれる別館があり、その名の通りセンター・ブロックはこの二つの建物の中央に位置しています。これらの別館には、議員や議事堂職員が勤務するための事務室が設けられています。

歴史的な背景

このセンター・ブロックは、第一次世界大戦前の1916年に発生した火災により、初代国会議事堂が全焼した後に完成した二代目の建物です。1927年に公に開放され、前の建物のデザインをできる限り引き継ぐことを重視しつつも、鉄筋コンクリートといった新しい建築技術を用いて構造的な安全性が向上しました。また、床面積も拡大され、議事堂の裏手には円形の国会図書館も併設されています。

2018年からは大規模な改修工事が始まり、議事堂は一時的に閉鎖されています。この改修工事は約10年を要する見込みで、これに伴い、庶民院はウエスト・ブロックに、元老院は政府会議場へと移転しました。

ピースタワー

センター・ブロックには「ピースタワー」という名の時計塔があり、第一次世界大戦の戦没者を慰霊するために設計されました。このタワーの内部には「メモリアルチャンバー」と呼ばれる部屋があり、戦争で命を落とした人々の名前が記された名簿が保管されています。現在、この名簿はカナダが参加した全ての戦争にわたるものとなっており、国の歴史に対する深い敬意を表しています。

ピースタワーの下には展望台があり、訪れる人々はこの場所からオタワの美しい景色を眺望することができます。これは観光名所としても人気があり、国の歴史を感じながら自然の美しさを楽しむ場となっています。

国会図書館

国会図書館は1876年に完成し、1916年の火災で保存された貴重な建物です。この図書館は、その設計が大英博物館の図書室をモデルとしていることから、非常に美しい外観を持っています。センター・ブロックの裏手に位置しているため、一般的には広場からは見えませんが、オタワ川からの景観は特に目を引くものです。

このように、センター・ブロックとその関連施設は、カナダの歴史と文化の象徴として重要な役割を果たしています。今後の改修工事が完了すれば、さらなる観光名所としての価値を高めることが期待されます。

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