セント・マーガレット教会堂

セント・マーガレット教会堂は、スコットランドのエディンバラ城内に現存する最古の建造物です。その建築様式は典型的なノルマン建築の特徴を示しています。

歴史

当初、この教会堂はスコットランド王妃である聖マーガレットによって寄進されたと伝えられていました。しかし、近年の研究によって、実際にはマーガレットの四男であるデイヴィッド1世が12世紀に建設を開始したことが判明しました。デイヴィッド1世は1124年に王位を継承しています。

この教会堂は、大きさの異なる石材を組み合わせて建てられた比較的小規模な建物で、スコットランドやアイルランドにおけるケルト文化の影響を受けた教会堂建築との共通点が見られます。内部の高さは約3メートル、入り口の扉は約4.87メートル。典型的なノルマン様式の内陣は幅約1.52メートルで、山形の装飾が施されています。北側の壁は過去に塗り替えられていますが、他の三方の外壁は創建当初からのもので、厚さは約61センチです。ノルマン様式を特徴づける要素として、5つの丸窓と、入り口の扉の上にある丸いアーチが挙げられます。

1314年3月14日の夜、エディンバラ城は、ロバート1世と同盟関係にあった初代マリ伯トーマス・ランドルフによって攻略されました。この際、ランドルフは教会堂以外の城内の建物を徹底的に破壊しました。1329年にロバート1世は死去に際し、聖マーガレット王妃の事績を語り、教会堂の修復のために40ポンドを使用するよう指示しました。その後長年にわたり、この建物は城内の王室教会堂として認識されていました。

宗教改革とその後

宗教改革の時代に、教会堂は一時的に荒廃しました。16世紀には、火薬の貯蔵庫として利用された時期もありました。19世紀になると、サー・ダニエル・ウィルソンが、ヴィクトリア女王の支援を受け、自らが監督する修復事業を通じて、この建物を再び世に知らしめました。1929年には教会堂は再建され、以前のように使用できるようになり、1934年3月16日に再奉献式が行われました。

現在

セント・マーガレット教会堂協会は、イギリス王女マーガレットの後援のもと、レディー・ラッセルの指導により1942年に設立されました。1993年は聖マーガレットの没後900年にあたり、文化財保護団体であるヒストリック・スコットランドが、教会堂に新しい祭壇布、10席のベンチ、募金箱などを寄贈しました。教会堂協会のメンバーは、訪問者や信徒を迎えるために、常に新鮮な花で教会堂を飾っています。

セント・マーガレット教会堂は、12月25日・26日、1月1日・2日を除き、年中見学が可能です。

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