ゼネラルエレクトリックJ73は、同社が手掛けたJ47の改良型として開発された
ジェットエンジンです。このエンジンは、航空機の推進力を提供するために特化され、性能向上を目的としたいくつかの重要な技術的特徴を備えています。
概要
J73は、元々のJ47から派生した拡大版の設計であり、多くの革新が盛り込まれています。まず、可変式吸気案内翼が採用されており、これによって異なる飛行条件下での空気の流れを最適化できます。また、ダブルシェル燃焼器ケースはエンジンの効率を高め、空気流量を従来比で50%増加させました。
エンジンの補器に関しても、大幅な設計変更がなされています。給気口は圧縮機の中央からエンジンの下部に移し換えられ、この位置変更によりブレードのハブを小径化することが可能になりました。これによって、翼の有効径が拡大し、圧縮機への空気吸入面積も増加。結果として、エンジン全体の性能が向上しています。
また、燃焼器においても同様に、個別の燃焼管から成る単一のアニュラ型燃焼器に変更され、各燃焼器の特性を最大限に引き出す設計となっています。この変更により、圧縮比が上昇し、運転中の性能が大幅に改善されました。可変式吸気案内翼の導入により、高圧縮比が実現し、低回転における問題(ブレードフラッタや回転翼失速)が解消されました。
仕様(J73-GE-5)
- - 全長: 500 cm
- - 直径: 100 cm
- - 重量: 1,656 kg
- - 圧縮機: 12段軸流式圧縮機
- - タービン: 2段
- - 圧縮比: 7.5:1
- - 推力: 42 kN
- - 推力重量比: 3.4 lbf/lb
派生型
J73にはいくつかの派生型があり、具体例としては以下のモデルがあります。
- - J73-GE-1
- - J73-GE-3: 最大推力9,200 lbf (40.92 kN)のノースアメリカンF-86Hセイバーに搭載。
- - J73-GE-5: ノースアメリカンF-89スコーピオに搭載予定の派生機種。
搭載機
このエンジンはノースアメリカンF-86Hセイバーなどに広く搭載され、またリパブリックYF-84Jサンダーストリークの2機の試作機にも利用されました。
脚注
J73エンジンの設計と開発は、エンジン技術の進歩を示すものであり、ゼネラルエレクトリックの技術革新における重要な一歩となりました。
外部リンク
このように、ゼネラルエレクトリックJ73はその技術的進化と性能向上により多くの航空機にとって欠かせない存在です。