ゼンタングル

ゼンタングルとは

ゼンタングル（Zentangle）は、繰り返し描く簡単な模様を通じて、抽象的なアート作品を生み出すためのペン画の技法です。この手法は、アメリカのマサチューセッツ州に住むリック・ロバーツとマリア・トーマスによって2004年に開発され、商標登録されています。ゼンタングルは、アートに「禅」の要素を取り入れた方法で、創作に集中することで高い意識状態に至ることができるとされます。

ゼンタングルのメソッド

ゼンタングル作品は、基本的に5種類のストリング（すなわち、線）を用いて空間を分割し、その交差点でできたセクションをタングル（模様）で埋めることで作られます。使用するストリングには、点、直線、曲線、S字曲線、円が含まれます。このプロセスは非常に自由で、自分自身のオリジナリティを表現することが可能です。定型のタングルも存在しますが、自由にアレンジしたり、新しいタングルを考案することも奨励されています。

基本的な考え方として以下の要素が挙げられます：
1. シンプルさ: 複雑に見える作品も、簡単な図形の組み合わせによって構成されているため、特別な芸術的知識や技能は必要ありません。
2. 自由な発想: 自分のスタイルを追求することが大切で、他者との作品を比較することは推奨されません。
3. 抽象性: ゼンタングルは上下の概念がなく、どの方向からでも描くことが可能です。計画的な作業は控え、その時々の直感に従って描くことになります。
4. 間違いを受け入れる: 正解や失敗といった概念は存在せず、すべての結果を次の創作に生かす経験として捉えます。
5. 集中した時間: 短時間の作業では効果を十分に得られないため、一定の時間をかけて意識を集中させる必要があります。

使用する画材

公式のゼンタングルメソッドでは、特別にデザインされた8.9センチ四方のホワイトタイルを使用します。さらに、直径11.4センチの円形のタイルを使って描く作品は「ゼンダラ（Zendala）」と呼ばれ、曼荼羅（マンダラ）に似た形状を持ちます。最低限必要な道具は鉛筆だけですが、公式ではミリペンや色鉛筆（パステルカラー）の使用も推奨されています。

なお、練習用に他の画材を使用する場合、それは「ゼンタングル・インスパイア・アート（ZIA）」と称され、公式メソッドからの作品とは区別されます。

ゼンタングルの利点

ゼンタングルは、単なるアート活動を超えて、心のリラクゼーションやストレス解消にも役立ちます。このメソッドを通じて、創造の楽しさと同時に、心の平穏を得ることができるのです。ほとんどの人が、ゼンタングルを体験することで、日常生活の喧騒から解放され、心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。

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