ソゾポル

ソゾポル：歴史と自然が織りなすブルガリアの宝石

ソゾポルは、ブルガスから南へ約30km、ブルガリア南東部の黒海沿岸に位置する古代都市であり、現代の町です。その起源は青銅器時代に遡り、ブルガリア領トラキアの黒海沿岸の町としては最古の部類に属します。

歴史

古代の集落

この地に築かれた最古の集落は青銅器時代のもので、港の海底発掘調査では、住居跡、陶器製作所、石や骨製の道具類が発見されています。紀元前2千年紀から紀元前1千年紀にかけての碇が多数見つかっており、古代よりこの地が海上交易の要衝であったことを示唆しています。

アポロニアの繁栄

当初アンテイアと呼ばれたこの町は、ミレトス人の入植者によってアポロニアと改名されました。アポロン神殿が建立されたことに由来します。高さ30キュビットの巨大なアポロン像が建てられましたが、後にローマへ運ばれました。アポロニアは、アポロニア・ポンティカ、アポロニア・マグナとも呼ばれ、紀元前4世紀には硬貨の鋳造も行われました。

中世から現代へ

5世紀の地図にはアポロニアの名前が記されていますが、その後ソゾポリスという名称が現れます。ソゾポリスは「魂の救い」を意味し、トルコ語ではスュゼボル、ブルガリア語ではソゾポルと呼ばれます。交易拠点、軍港として発展し、古代ギリシャの各都市と交易を行いました。7世紀以降はビザンティン、ブルガリア、オスマン帝国の支配を経て、19世紀にブルガリアの一部となりました。

リゾート地としてのソゾポル

現代のソゾポルは、アポロニア美術・映画フェスティバルが開催されるなど、沿岸リゾート地として賑わっています。夏には世界中から観光客が訪れ、温暖な気候、美しい砂浜、歴史的な観光スポット、そしてトルコやギリシャの影響を受けたブルガリア料理を堪能します。近年では「ブルガリアのサントロペ」とも呼ばれ、多くの有名人も訪れています。

宗教史

ソゾポルは早くからキリスト教化され、少なくとも西暦431年には主教がいました。中世には府主教区が置かれ、キリスト教文化の中心地として発展しました。イコノスタシスや美しい木の彫刻が当時の高い技術を示しています。歴史地区にはブルガリア民族復興期の家々が立ち並び、独特の景観を作り出しています。

名称の変遷

町の名称は、アンテイア、アポロニア、アポロニア・ポンテカ、アポロニア・マグナ、ソゾポリスと変遷してきました。オスマン帝国時代にはシゼボリなどと呼ばれ、ブルガリア領となってからはソゾポルとなりました。

ソゾポルは、古代からの歴史と美しい自然、豊かな文化が融合した魅力的な観光地です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

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