ソノブイ

ソノブイについて

ソノブイは、航空機から海洋に投下される小型のソナー装置であり、水中音響信号を捉えるために使用されます。この装置は、主に防衛や海洋監視の分野で活用され、音響情報を取得するために設計されています。

ソノブイの設計と機能

ソノブイは、通常パラシュートを使用して減速し、海面に到達するとフロート部分と短波通信アンテナを水面に保持します。その後、音響センサー部が瞬時に所定の水深まで沈む仕組みです。夜間の視認性向上のために発光機能を持つほか、昼間は視認性が低いため、発煙筒を一緒に投下して目印にすることもあります。また、応答信号を送信する無線チャンネルが限られているため、一定の時間が経過すると自沈する機能も備わっています。

ソノブイの種類

ソノブイは、送受波器の形式によって大きく「パッシブソノブイ」と「アクティブソノブイ」の2つに分類されます。

パッシブソノブイ

主に目標から発せられる音を受信する装置です。以下に代表的なタイプを示します。

• - LOFARソノブイ: 全指向性の受波器を持ち、低周波数音を受信することを目的としています。狭帯域の信号を抽出することで、探知範囲が大幅に拡大しています。
• - DIFARソノブイ: 指向性を持ち、音響信号の方位を検出することができます。二方向の音響信号を生成し、分析することで精度の高い情報を提供します。
• - VLADソノブイ: 垂直方向に複数の受波器が並ぶことで、船舶からの雑音を低減し、海底反跳に対応する能力に優れています。

アクティブソノブイ

このタイプは、音波を送信して水中の物体を検出する機能を持っています。

• - CASSソノブイ: 全指向性の音波を送信し、航空機からその制御が可能です。
• - DICASSソノブイ: 指向性の受波器を持ち、音波の方位を検出することができます。また、CW・FMパルスを送信することで探知機と同様の機能を持ちます。

音響測定と信号処理

ソノブイが捉えた音響信号は、コンピュータシステムで適切に処理され、音響情報として活用されます。このプロセスは、「ドライ・エンド」と呼ばれる母艦や航空機内に備えられたシステムで行われます。音響信号は、136-173メガヘルツのVHF通信リンクを用いて送信され、受信機は各種化されており、高度な情報処理技術が求められます。

戦術的な活用方法

ソノブイは、敵潜水艦の探知に特化した様々な戦術に利用されます。その一例として、ジュリー戦術では潜水艦の予測潜没位置にソノブイを配置し、発音弾を組み合わせて音響信号を解析します。また、ジェジベル戦術では海域にDIFARソノブイを敷設し、音響信号をリアルタイムでモニタリングすることで潜水艦の位置を特定します。対潜作戦の戦略として、これらの技術は非常に重要となっています。

結論

ソノブイは、音響信号を活用した海洋監視や防衛のための重要なツールです。パッシブとアクティブの両方のソノブイがあり、各種の用途や戦術に応じた様々な設計がなされています。これにより、海中の脅威を効果的にモニタリングし、対潜戦において戦略的なアドバンテージを提供することが可能となっています。

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