ソミュール戦車博物館

ソミュール戦車博物館の魅力

ソミュール戦車博物館（Musée des Blindés）は、フランスのメーヌ＝エ＝ロワール県、ロワール川沿いのソミュール市に位置する戦車専門の博物館です。ここでは、880両以上の戦車や装甲車両が収蔵されていますが、展示スペースの関係で常時展示されているのは約200両に限られています。館内のコレクションにはフランス製のものだけでなく、世界中のさまざまな時代の装甲車両が揃っており、訪れる人々に多様な戦車の歴史を紹介しています。

博物館の歴史と設立

本博物館は、1977年にフランス陸軍のミシェル・オーブリー大佐の手によって設立されました。彼は博物館を機甲部隊の資料館として位置づけ、陸軍関係者から成る人員によって運営されています。また、オーブリー大佐は「できる限り稼働する状態にレストアを行う」という方針を掲げ、このおかげで200両以上の車両が現在も動態保存されています。特に、世界で唯一動作するティーガーII重戦車は、本館の中でも特に貴重な存在です。

デモンストレーションイベント

毎年7月には、一般の来館者に向けて行われるデモンストレーションイベント「カルーセル・デ・ソミュール」が注目を集めています。このイベントでは館の所蔵車両が実際に走行する様子を観ることができ、多くの訪問者が楽しむ一大イベントとなっています。また、博物館が位置するソミュールには、古くから騎兵部隊の訓練場があったことから、フランス軍の教育施設としての役割も果たしています。

展示車両の多様性

博物館の展示は、いくつかのテーマ別の部屋に分かれており、見る人を飽きさせません。例えば、第一次世界大戦に関する展示室ではシュナイダーCA1やルノーFT-17軽戦車が見られ、一方、第二次世界大戦に関連する部屋では、フランス軍のルノーR35やオチキスH35、ドイツ軍のティーガーIやII、さらには連合軍のM4中戦車などが並びます。また、キュリオシティ・ルームでは、ベスパに75mm無反動砲を搭載した特異な車両も展示されています。

冷戦以降の車両

また、冷戦時代の展示として、ワルシャワ条約機構のT-54やT-72、NATOのセンチュリオンやM60パットン系列の車両も取り扱われており、戦車愛好者にとって見逃せないラインナップとなっています。

出版物と外部リンク

日本の出版社・大日本絵画による「パンツァーズ・アット・ソミュール」という資料写真集が存在することからも、その魅力が伝わります。さらに、トリップアドバイザーや公式サイトを含む多くのオンラインリソースが、訪問の際の情報を提供しています。

静かなロワール川のほとりにあるこの博物館は、戦車とその歴史を愛するすべての人にとって、貴重な学びと感動を提供してくれるスポットなのです。

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