ソユーズ15号

ソユーズ15号

ソユーズ15号は、1974年にソビエト連邦によって実施された有人宇宙飛行ミッションです。この飛行は、地球軌道上に滞在していた宇宙ステーション「サリュート3号」とのドッキングを主な目的としていました。当時の状況から、このミッションは軍事的な目的を帯びていた可能性が指摘されています。

ソユーズ15号は、1974年8月26日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。搭乗したのは、コマンダーのゲナジ・サラファノフ宇宙飛行士と、フライトエンジニアのレフ・デミン宇宙飛行士の2名でした。両名にとって、これが初めての宇宙飛行経験でした。

打ち上げ後、ソユーズ宇宙船は順調に軌道に乗り、目標であるサリュート3号宇宙ステーションに接近しました。しかし、ステーションとのドッキングプロセスにおいて予期せぬ問題が発生しました。ソユーズ宇宙船に搭載されていた自動ドッキングシステムが正常に機能しなかったのです。この不具合により、ソユーズ15号はサリュート3号への物理的な結合、すなわちドッキングを果たすことができませんでした。

自動システムでのドッキングが不可能となった後、乗員は手動でのドッキング操作を試みましたが、これを継続するために十分な推進剤が残されていないことが判明しました。軌道上での手動操作は多くの燃料を消費するため、限られた残量では安全にドッキングを完了させることが困難と判断されました。このため、ミッションは目標を達成することなく、途中で放棄されることとなりました。

短期間の宇宙滞在の後、ソユーズ15号の乗員は地球への帰還を余儀なくされました。カプセルは打ち上げからわずか2日後の1974年8月28日に地上へ帰還しました。当初のミッション期間は、打ち上げウィンドウから推測されるところでは、19日間から最長で29日間程度が予定されていたと考えられており、実際の飛行期間はそれを大きく下回る結果となりました。

このミッションの目的については、後にソビエト当局から異なる説明がなされました。当局は、ソユーズ15号はそもそもサリュート3号とのドッキングを目的としておらず、宇宙ステーションの付近で自動および手動でのマヌーバ技術を実証するためのフライトであったと主張しました。しかし、ミッション中の出来事や当初の計画に関する情報からは、ドッキング失敗がミッションの早期終了につながったとする見方が一般的です。

ソユーズ15号ミッションに搭乗した正搭乗員は以下の通りです。

コマンダー：ゲナジ・サラファノフ (初飛行)
フライトエンジニア：レフ・デミン (初飛行)

また、支援搭乗員および予備搭乗員も任命されていました。

支援搭乗員：コマンダー - ボリス・ボリョノフ、フライトエンジニア - ビタリー・ジョロボフ
予備搭乗員：コマンダー - ヴャチェスラフ・ズードフ、フライトエンジニア - ワレーリ・ロズデストベンスキー

ソユーズ15号宇宙船の技術的なデータは以下の通りです。

打ち上げ質量：6760 kg
初期軌道：近地点 173 km、遠地点 236 km
軌道傾斜角：51.6 度
軌道周期：88.5 分

ソユーズ15号は、自動ドッキングシステムの不具合という予期せぬ事態により、その本来の目的を達成できずに早期に終了した異例のミッションとして、ソビエトの宇宙開発史に記録されています。

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