ソユーズMS-05

ソユーズMS-05：国際宇宙ステーションへの旅

ソユーズMS-05は、2017年7月28日に打ち上げられたソユーズ宇宙船であり、国際宇宙ステーション（ISS）へ第52次長期滞在クルーを送り届けるという重要なミッションを担いました。これはソユーズ宇宙船としては134機目にあたり、ロシア人コマンダーとアメリカ人およびイタリア人のフライトエンジニアの計3名が搭乗しました。彼らは軌道上での139日間の滞在後、2017年12月14日に無事地球へ帰還しました。

進化を遂げたソユーズMS

ソユーズMSシリーズは、従来のソユーズ宇宙船から大幅な改良が加えられています。その主な点は以下の通りです。

高効率ソーラーパネル: 太陽光発電効率の向上により、宇宙船の電力供給能力が向上しました。
軽量化されたクルスNA接近結合システム: 新しいクルスNA接近結合システムは、従来のシステムと比較して質量が半分になり、宇宙船全体の軽量化に貢献しました。
微小隕石デブリシールドの追加: 宇宙空間に存在する微小隕石やデブリから宇宙船を保護するためのシールドが追加され、安全性が向上しました。
ドッキングおよび姿勢制御エンジンの改良: ドッキング時や軌道離脱噴射時に冗長性を持たせることで、ミッションの信頼性が向上しました。
高性能メインコンピューターTsVM-101: 従来のArgon-16メインコンピューターと比較して、質量が1/8、外形寸法も小型化されたTsVM-101メインコンピューターが搭載されました。
統合ディジタル・コマンド/テレメトリー・システム: ルーチ中継衛星を経由してテレメトリーを送信し、宇宙船が地上追跡ステーションの観測領域外にいても、宇宙船の制御やクルーへの測位データ提供が可能になりました。
アップグレードされたGLONASS / GPS衛星システム: 着陸後の捜索/救助活動において、より正確な位置情報サービスを提供できるようになりました。

ソユーズ宇宙船の多岐にわたる役割

ソユーズ宇宙船は、宇宙空間において様々な重要な役割を果たしています。

人員輸送: 最大3名までの訪問クルーと、必要な物資をISSへ輸送します。
緊急脱出: ISSで緊急事態が発生した場合、クルーを安全に地球へ帰還させるための手段として待機します（乗員帰還機の機能）。
ペイロード輸送: ISSからの廃棄物を居住区で処理し、地球への帰還時に大気中で焼却処分します。

ソユーズMS-05は、これらの役割を果たすために、宇宙空間で様々なタスクを実行しました。

クルー

ソユーズMS-05には、以下のクルーが搭乗しました。

コマンダー: ロシア人宇宙飛行士
フライトエンジニア: アメリカ人宇宙飛行士、イタリア人宇宙飛行士

また、バックアップクルーも存在し、万が一の事態に備えていました。

ソユーズMS-05のミッションは、宇宙開発における重要な一歩であり、今後の宇宙探査ミッションに貴重なデータと経験をもたらしました。

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