ソユーズT-7

ソユーズT-7

ソユーズT-7（Soyuz T-7）は、ソ連（当時）が打ち上げた有人宇宙船ミッションの一つです。この飛行は、地球周回軌道上に滞在していた宇宙ステーション「サリュート7号」へ向けた、ソユーズ宇宙船による往還ミッションとしては3度目にあたります。このミッションには「ドニェープル」（ウクライナを流れるドニエプル川のロシア語名）というコールサインが与えられました。

歴史的な搭乗者

ソユーズT-7ミッションにおける最も特筆すべき出来事の一つは、搭乗者の一人にスベトラーナ・サビツカヤ飛行士がいたことです。彼女は、1963年にボストーク6号で人類初の女性宇宙飛行士となったワレンチナ・テレシコワ飛行士以来、実に約20年ぶりに宇宙へと旅立ったソ連邦にとって2人目の女性宇宙飛行士となりました。この歴史的な飛行に際し、ソユーズT-7宇宙船の軌道モジュール内部には、サビツカヤ飛行士のためにプライベートな空間が確保されるという配慮がなされています。

ミッションの内容

ソユーズT-7の主要な任務は、サリュート7号宇宙ステーションに長期滞在していたクルーへの支援でした。当時、ステーションにはソユーズT-5で到着したアナトリー・ベレゾボイ飛行士とヴァレンチン・レベデフ飛行士が滞在していました。ソユーズT-7に搭乗したレオニード・ポポフ（コマンダー）、アレクサンドル・セレブロフ（フライトエンジニア）、そして前述のスベトラーナ・サビツカヤ（研究者）の3名は、ベレゾボイ、レベデフ両飛行士のために、新たな実験に必要な器具類や、遠く離れた家族からの大切な手紙などの物資を届けました。

帰還とクルー交換

サリュート7号でのミッション期間中、ソユーズT-7のクルーはステーションに滞在しました。その後、地球への帰還に際して、興味深いクルー交換のプロセスが行われました。宇宙ステーションには、ソユーズT-5とソユーズT-7の2機の宇宙船がドッキングしていました。宇宙飛行士がソユーズ宇宙船で帰還する際には、その宇宙船の帰還モジュールに備え付けられた座席（カザベックと呼ばれる）は、各飛行士の体格に合わせて事前に成形されたカスタムメイドのものが使用されます。

1982年8月21日、サリュート7号に滞在していた5名の宇宙飛行士（ソユーズT-5のベレゾボイ、レベデフ両飛行士と、ソユーズT-7のポポフ、セレブロフ、サビツカヤ各飛行士）は、それぞれの体格に合わせた座席を交換する作業を行いました。これは、ソユーズT-7でステーションに到着したポポフ、セレブロフ、サビツカヤの3名が、先にドッキングしていたソユーズT-5に乗って地球へ帰還するためでした。こうして、ソユーズT-7はサリュート7号にドッキングしたままとなり、その後別のクルーが使用することになります。

搭乗員

出発時クルー

レオニード・ポポフ (2) - コマンダー
アレクサンドル・セレブロフ (1) - フライトエンジニア
スベトラーナ・サビツカヤ (1) - 研究者

帰還時クルー

アナトリー・ベレゾボイ (1) - コマンダー
ヴァレンチン・レベデフ (2) - フライトエンジニア

バックアップクルー

ウラジーミル・ヴァシューチン - コマンダー
ヴィクトル・サヴィヌイフ - フライトエンジニア
イリーナ・プロニナ - 研究者

※カッコ内の数字は、ミッション完了時点での飛行回数を示します。

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