ソユーズTM-17

ソユーズTM-17は、宇宙ステーションミールへの17回目の飛行ミッションとして実施されました。このミッションでは、予期せぬ事態が発生し、宇宙史に残る出来事となりました。

乗組員

出発時:
ワシリー・ツィブリエフ (1)
アレクサンドル・セレブロフ (4)
ジャン＝ピエール・エニュレ (1) - フランス

帰還時:
ワシリー・ツィブリエフ (1)
* アレクサンドル・セレブロフ (4)

ミッションハイライト

1994年1月14日7時37分（MT）、ソユーズTM-17はミールから分離しました。ミッションコントロールセンターからの指示により、ツィブリエフはAPAS-89ドッキングシステムの撮影のため、クリスタルモジュールから15m以内に接近するよう操縦しました。しかし、撮影のために軌道モジュールにいたセレブロフが、太陽電池への接近を懸念し、ツィブリエフにステーションから離れるよう要請したことが、その後の事態を引き起こすことになります。

ミール内部では、ヴィクトル・アファナシエフがヴァレリー・ポリャコフとユーリ・ウサチェフに対し、ソユーズTM-18への避難を指示するという緊迫した状況でした。

ミールとの衝突事故

7時47分、ミッションコントロールセンターは、ソユーズTM-17の外部カメラの映像が激しく揺れていることに気づきました。直後、セレブロフからソユーズがミールに衝突したという報告があり、通信が途絶えました。その後、断続的な通信を経て、8時2分にようやく音声通信が回復しました。ソユーズTM-17を精密検査した結果、深刻な損傷は見られませんでした。

この事故を通じて、ソユーズ11号の事故を教訓に、ロシアが宇宙船内の減圧や不測の事態に備えた研究を進めていることが明らかになりました。ミールの宇宙飛行士は衝突の衝撃を感じなかったものの、ステーションのガイドシステムは角速度を記録し、自動的に自由飛行モードに切り替わりました。

事故原因

後の分析により、軌道モジュールの右側部が2秒間隔で2度、ミールに斜めに衝突したことが判明しました。衝突箇所は、ミールとの結合部に近いクリスタルモジュールでした。事故の原因は、操縦の切り替えエラーによるものでした。

ソユーズTM-17のミッションは、計画外の衝突事故に見舞われましたが、乗組員の冷静な対応と事後の徹底的な分析により、宇宙開発における安全対策の重要性を再認識させる出来事となりました。また、宇宙空間における危機管理体制の強化にもつながる教訓を残しました。

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