ソユーズTM-28

ソユーズTM-28

ソユーズTM-28（ロシア語表記: Союз ТМ-28）は、ロシア連邦宇宙局によって実施された有人宇宙飛行ミッションです。主な目的は、宇宙ステーション「ミール」へのクルー交代、人員および物資の輸送でした。このミッションは、ソユーズ宇宙船による「ミール」への有人往来としては通算37回目に当たります。本ミッションで使用されたソユーズ宇宙船には、「アルタイール」（Альтаир）というコールサインが定められていました。

乗組員構成

ソユーズTM-28の打上げ時の乗組員は、以下の3名のロシア人宇宙飛行士でした。

ゲンナジー・パダルカ（宇宙飛行1回目）
セルゲイ・アヴデエフ（宇宙飛行3回目）
ユーリー・バトゥーリン（宇宙飛行1回目）

このうち、ゲンナジー・パダルカとセルゲイ・アヴデエフは、長期滞在ミッションである「ミール」の第26次主要乗組員（ミールEO-26）として、ユーリー・バトゥーリンは短期滞在ミッションの一員として搭乗しました。

ソユーズTM-28による地球への帰還時の乗組員は、以下の2名です。

ゲンナジー・パダルカ（ロシア）
* イヴァン・ベラ（スロバキア）

帰還時のメンバーは打上げ時から変更されており、長期滞在クルーの一部が次のソユーズで帰還するスケジュールでした。

主要ミッションと特記事項

ソユーズTM-28は、計画通り宇宙ステーション「ミール」へのドッキングを成功させました。軌道上滞在中、長期滞在クルーのゲンナジー・パダルカ飛行士とセルゲイ・アヴデエフ飛行士は、船外活動（宇宙遊泳）を実施し、ステーションの維持管理や科学観測装置の設置などを行いました。

また、このミッションの乗組員であるユーリー・バトゥーリンは、ロシア連邦の政治家としての経歴を持つ人物であり、彼が宇宙を訪れたことは、ロシア史上初めて政治家が宇宙飛行を行った事例として記録されています。

ユニークな「４人目のクルー」の試み

日本のテレビ番組『ポンキッキーズ』は、人気キャラクター「ガチャピン」を「4人目のクルー」として、このミッションに「搭乗」させる企画を実施しました。ガチャピンのロシア語表記は“Гатяпин”とされました。

この企画は、ガチャピンが宇宙服を着てソユーズや「ミール」に滞在するという設定で展開されました。キャラクターは1998年8月20日にソユーズTM-28と共に地球に帰還したとされ、翌8月21日には東京で帰還セレモニーも行われました。

しかし、宇宙ステーションで撮影された関連映像は回線不良のため地上への送信に失敗し、同年8月30日放送予定だった特別番組は中止となりました。

クルーの帰還

短期滞在を終えたユーリー・バトゥーリン飛行士は、ソユーズTM-27で地球へ帰還しました。長期滞在を続けたセルゲイ・アヴデエフ飛行士は、ソユーズTM-29で地球に戻りました。ソユーズTM-28で地球に帰還したのは、ゲンナジー・パダルカ飛行士とイヴァン・ベラ飛行士でした。

ソユーズTM-28ミッションは、クルー交代やロシア人政治家の初飛行、日本のメディア企画参加といった多様な要素を含む特筆すべき宇宙飛行となりました。

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