ソングズ・フォー・ジュディ

ソングズ・フォー・ジュディ

『ソングズ・フォー・ジュディ』は、カナダとアメリカにルーツを持つミュージシャン、ニール・ヤングが2018年11月30日にリリースしたライヴ・アルバムです。この作品は、ヤング・アーカイヴのパフォーマンス・シリーズ第7巻に位置づけられ、1976年のアメリカ・ツアーにおける彼のソロ・アコースティック・セットを記録した音源を含んでいます。

アルバムの内容

このアルバムには、1976年11月に行われたツアーの中で、ニール・ヤングがアコースティック・セットで演奏した楽曲が収められています。ヤングは、毎晩同じ曲を演奏するのではなく、アコースティック・セットにおいては異なる楽曲を選択しました。このスタイルにより、ツアー全体で22曲が演奏され、すべてが『ソングズ・フォー・ジュディ』に収録されています。

ヤングにとって、1970年代の春にクレイジー・ホースとともに行ったツアーは特に重要で、その際にアコースティック・パフォーマンスを披露したことが記録されています。『ライブ・アット・ザ・フィルモア・イースト』のアルバムは、その時のエレクトリック・パフォーマンスのみをカバーし、アコースティック部分を省略していましたが、本作『ソングズ・フォー・ジュディ』では逆にアコースティック・パフォーマンスに焦点を当てています。

背景

このライヴ音源は、ニール・ヤングのギター・テックであるジョエル・バーンスタインが、PAフィードから直接カセットに録音したものを基にしています。彼と友人のキャメロン・クロウは、これらの録音のうち最高の演奏を選んで編集し、シーケンスしました。最初の録音は後に盗まれ、ファンの間で非公式なブートレグ『The Joel Bernstein Tapes』として流通することになりますが、『ソングズ・フォー・ジュディ』はオリジナルのコンピレーションからのマルチトラックミックスで、演奏日順に収録されるスタイルが採用されています。

このツアーで演奏された曲のいくつかは、数年後にアルバム『フリーダム』（1989年）や『傷だらけの栄光』（1990年）にスタジオバージョンが収められることになります。また、当時は未発表だった「Give Me Strength」なども含まれています。さらに、「No One Seems to Know」は、このライヴアルバムが初めての公式リリースです。

アルバムタイトルの由来

『ソングズ・フォー・ジュディ』というタイトルは、ヤング自身があるライヴ中に幻覚を見た体験に由来しています。彼はオーケストラ・ピットにジュディ・ガーランドがいるのを見たと話しており、そのエピソードはアルバムのイントロに語られています。

参加ミュージシャン

本アルバムには、ニール・ヤング自身がヴォーカルや複数の楽器を担当しています。また、録音やプロデュースには、ジョエル・バーンスタインやキャメロン・クロウ、デヴィッド・ブリッグスなどが関与しています。特に、バーンスタインのカセット録音が用いられているため、音質や演奏の魅力が伝わりやすくなっています。

まとめ

このアルバムは、ニール・ヤングが持つライブの魅力を体験できる貴重な作品であり、彼のアコースティック・スタイルに焦点を当てた内容は、ファンにとって特に興味深いものとなっています。音楽の背景や製作にまつわるストーリーを通じて、ニール・ヤングのアーティストとしての成長や変遷を感じられることでしょう。

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