ソング・オブ・ザ・シー 海のうた
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は、
2014年に制作された
アイルランドの
アニメーション[[映画]]で、日本では
2016年に公開されました。この作品は、
アイルランドの伝説に描かれる妖精であるセルキーの物語を軸に、兄妹の感動的な冒険を描いています。
あらすじ
物語は、離島に住む兄のベンと妹のシアーシャを中心に展開します。ベンは、幼い日々から母ブロナーの伝えてくれた物語をよく覚えている少年です。彼の妹、シアーシャは生まれつき言葉を発することができず、兄のベンとの絆は一見冷たいものの、深い愛情で結ばれています。二人は父親コナー、そして大型犬のクーと共に静かな日常を送っていました。しかし、母親が失踪してから、この家族の幸福は影をひそめていました。
シアーシャが6歳の誕生日を迎えた夜、彼女は母の形見である巻貝の笛の音に導かれ、鍵のかかった箱から特別なコートを見つけます。このコートを着ることで、シアーシャは白いアザラシに姿を変えることができ、他のアザラシたちと共に夜の海を泳ぐ経験をします。しかし、この冒険は彼女の運命を大きく変える出来事の始まりでもありました。
翌朝、シアーシャは危険に思える状況に直面します。彼女の存在を知った祖母は、子どもたちを街へ連れ帰ると宣言します。これを知ったコナーは、子どもたちを海から離れさせたくないという思いから、シアーシャを守るためにコートを海に投げ捨て、その鍵も遠くへ放り投げます。この行動は、兄妹の未来を大きく揺るがす決断でした。
街で新しい生活を始めたベンとシアーシャですが、妹のために心配を抱えるベンは、愛犬のクーを思い出し、連れて帰ろうと決心します。妹のシアーシャもこの冒険を追いかけ、二人は街をさまよいながら離島へ戻る道を探します。
登場人物
- - ベン(Ben): 本作の主人公で、母から教わった昔話を覚えている普通の少年。
- - シアーシャ(Saoirse): ベンの妹で、話すことができない6歳の少女。妖精としての能力に目覚めます。
- - コナー(Conor): ベンとシアーシャの父。海の妖精の妻を愛しており、子供たちを守りたいと願っています。
- - ブロナー(Bronagh): 妖精セルキーである母。シアーシャが生まれた夜に姿を消します。
- - おばあちゃん(Granny): ベンとシアーシャの祖母で、子どもたちを街に連れて行きます。
- - ディーナシー(Daoine Sidhe): 妖精たち。シアーシャに呪いを解除してもらおうと企みます。
- - シャナキー(The Great Seanchaí): 忘れっぽい語り部で、物語を語る存在。
- - マカ(Macha): ふくろうの魔女で、妖精から感情を奪う能力を持ちます。
受賞歴
この
映画は、第12回
アイルランドアカデミー最優秀作品賞をはじめ、第28回ヨーロッパ
映画賞、さらには
東京アニメアワードフェスティバル2015のグランプリなど、数々の賞を受賞しました。この作品は、視覚的な美しさと物語の深さで多くの人々に感動を与えています。
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は、家族の絆と自分自身を見つける旅を通して、忘れてしまった大切なことを思い出させてくれる、心温まる
映画です。