ソールズベリー (アルバム)

『ソールズベリー』は、イギリスのロックバンド、ユーライア・ヒープが1971年に発表したセカンド・アルバムです。前作からドラマーが交代し、キース・ベイカーが参加しましたが、本作を最後に脱退しました。

アルバムの大きな特徴は、16分にも及ぶタイトル曲「ソールズベリー」です。この曲では、外部ミュージシャンによる金管楽器・木管楽器のアンサンブルが導入され、壮大なスケール感を生み出しています。しかし、ケン・ヘンズレーは後年、金管・木管楽器を導入する前のライブ演奏の方が良かったと語っており、実験的な試みであったことが伺えます。

収録曲としては、他に「肉食鳥」、「公園」、「生きる」、「黒衣の娘」、「尼僧」などがあります。「肉食鳥」は元々、前作のシングルB面曲でしたが、アメリカ盤では本作に収録され、ジャケット・デザインもイギリス盤とは異なっています。

「黒衣の娘」では、ケン・ヘンズレーがリード・ボーカルを務めています。これは、デヴィッド・バイロンがこの曲を嫌ったため、プロデューサーの提案でヘンズレーが歌うことになったというエピソードがあります。

本作は、アメリカではBillboard 200で最高103位を記録しましたが、イギリスではチャート入りを逃しました。日本では、1972年に発売され、オリコンLPチャートで最高47位を記録しています。

音楽評論家のDonald A. Guariscoは、AllMusicにおいて5点満点中2.5点を付け、「焦点が絞り切れていない作品」と評しつつも、「ユーライア・ヒープの作品のコレクターにとっては、十分に強力な曲が並んでいる」と評価しています。また、Eduardo Rivadaviaは、「肉食鳥」を「ユーライア・ヒープの作品の中で最もドラマティックな曲の一つ」と評しています。

収録曲

1. 肉食鳥 - "Bird of Prey"
2. 公園 - "The Park"
3. 生きる - "Time to Live"
4. 黒衣の娘 - "Lady in Black"
5. 尼僧 - "High Priestess"
6. ソールズベリー - "Salisbury"

1996年リマスターCDボーナス・トラック
"Simon the Bullet Freak"
"High Priestess (Single Edit)"
2003年リマスターCDボーナス・トラック
サイモン・ザ・バレット・フリーク（USアルバム・ヴァージョン） - "Simon the Bullet Freak (US Album Version)"
ヒア・アム・アイ（未発表アウトテイク・ヴァージョン） - "Here Am I"
黒衣の娘（未発表オルタネイト・ヴァージョン） - "Lady in Black (Previously Unreleased Alternate Version)"
尼僧（シングル・エディット・ヴァージョン） - "High Priestess (Single Edit)"
ソールズベリー（未発表エディット） - "Salisbury (Previously Unreleased Edit)"
公園（未発表ヴァージョン） - "The Park (Previously Unreleased Version)"
生きる（未発表ヴァージョン） - "Time to Live (Previously Unreleased Version)"



『ソールズベリー』は、ユーライア・ヒープの音楽性を探求する上で重要な作品であり、プログレッシブ・ロック的なアプローチや実験的なサウンドが随所に見られます。彼らの音楽的な幅広さを示す一枚として、今もなお多くのファンに愛されています。

参加ミュージシャン
デヴィッド・バイロン - リード・ボーカル
ケン・ヘンズレー - オルガン、ピアノ、スライドギター、アコースティック・ギター、ハープシコード、ヴィブラフォン、ボーカル
ミック・ボックス - リードギター、アコースティック・ギター、ボーカル
ポール・ニュートン - ベース、ボーカル
キース・ベイカー - ドラムス
* ジョン・フィディー - 管楽器アレンジ(on "Salisbury")

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