タイエ・タイウォ

タイエ・イスマイラ・タイウォ：不屈の左サイドバック

タイエ・イスマイラ・タイウォ（Taye Ismaila Taïwo, 1985年4月16日 - ）は、ナイジェリアのラゴス出身の元プロサッカー選手です。主に左サイドバックをポジションとし、その強烈なキックと積極的なプレースタイルで知られました。ナイジェリア代表としても長らく活躍し、国際舞台でもその名を轟かせました。

クラブキャリア

タイウォは、2005年にフランスの強豪オリンピック・マルセイユに加入し、ヨーロッパでのキャリアをスタートさせました。フィリップ・トルシエ監督の下、中田浩二とポジションを争いながら、すぐにレギュラーの座を掴み、左サイドバックとしてチームに不可欠な存在となりました。2006年には、アフリカ・ヤングプレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、その才能を高く評価されました。

マルセイユでは、リーグ・アン年間ベストイレブンに3度選出されるなど、安定したパフォーマンスを披露。2011年には、イタリアの名門ACミランへ移籍しましたが、怪我や戦術への適応の問題から、十分な出場機会を得ることはできませんでした。

その後は、イングランドのQPR、トルコのブルサスポル、フィンランドのHJKヘルシンキなど、様々な国のクラブを渡り歩き、2020年にドクサ・カトコピアスFC（キプロス）に移籍。

代表キャリア

タイウォは、ナイジェリア代表としても数多くの試合に出場しました。2005年には、FIFAワールドユース選手権に出場し、ブロンズボールを受賞。2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会にも出場し、アルゼンチン戦とギリシャ戦に先発出場を果たしました。

アフリカネイションズカップにも複数回出場し、2006年のガーナ戦では決勝ゴールを挙げるなど、重要な場面で活躍しました。代表通算では、55試合に出場し、5得点を記録しています。

プレースタイルと評価

タイウォは、強靭なフィジカルと強烈な左足のキックを武器とするサイドバックでした。攻撃的な姿勢も持ち合わせており、積極的に攻撃参加し、精度の高いクロスでチャンスを演出しました。また、フリーキックの精度も高く、直接ゴールを狙うこともありました。

そのプレースタイルは、時に守備の脆さを露呈することもありましたが、持ち前の運動量と献身性でカバーし、チームに貢献しました。マルセイユ時代には、その攻撃的なスタイルから「左サイドの機関車」とも呼ばれ、ファンから愛されました。

獲得タイトル

マルセイユ
UEFAインタートトカップ：2005
リーグ・アン：2009-10
クープ・ドゥ・ラ・リーグ：2010, 2011
トロフェ・デ・シャンピオン：2010

ミラン
スーペルコッパ・イタリアーナ：2011

個人
2005 FIFAワールドユース選手権 ブロンズボール
CAFアフリカ年間最優秀若手選手：2006
リーグ・アン年間ベストイレブン：2007-08, 2008-09, 2010-11

タイエ・タイウォは、その強烈なプレースタイルと数々のタイトルで、サッカー史に名を刻んだ偉大な選手の一人です。

もう一度検索