タイム (エレクトリック・ライト・オーケストラのアルバム)

エレクトリック・ライト・オーケストラ（ELO）が1981年に発表したアルバム『タイム』は、ELOの絶頂期にリリースされ、全英アルバムチャートで1位を獲得しました。しかし、全米チャートでは16位に留まり、アメリカでの人気に陰りが見える結果となりました。

このアルバムは、「時間」をテーマにしたコンセプト・アルバムであり、ジェフ・リンが全曲の作詞、作曲、プロデュースを手掛けています。物語は、主人公が1981年から2095年にタイムトリップするという設定で展開され、歌詞には「time」という単語が頻繁に登場するなど、時間というテーマが色濃く反映されています。

音楽的には、シンセサイザーを多用したエレポップ的な要素が強く、収録曲「トワイライト」は日本で特に人気を博しました。しかし、従来のELOの特徴であったストリングスを大幅に排除したため、商業主義に走りすぎたという批判も一部でありました。

当初は2枚組として企画されましたが、レコード会社の意向により1枚のアルバムとして発売されました。未収録となった楽曲は、後にリマスター版にボーナストラックとして収録されています。

『タイム』は、レコード会社やマネージメントからの干渉が強まる中で制作され、アメリカでのセールスが伸び悩んだことは、その後のELOの活動に大きな影響を与えました。

収録曲は以下の通りです。

1. プロローグ - Prologue
2. トワイライト - Twilight
3. ロスト・ワールド2095 - Yours Truly, 2095
4. チケット・トゥ・ザ・ムーン - Ticket To The Moon
5. タイム・トラベラー - The Way Life's Meant To Be
6. 孤独のスペース・シップ - Another Heart Breaks
7. さらばロンリー・レイン - Rain Is Falling
8. エンド・オブ・ザ・ワールド - From The End Of The World
9. ライツ・ゴー・ダウン - The Lights Go Down
10. ヒア・イズ・ザ・ニュース - Here Is The News
11. 21世紀の男 - 21st Century Man
12. ホールド・オン・タイト - Hold On Tight
13. エピローグ - Epilogue

リマスター盤には、以下のボーナストラックが追加されています。

1. バウンサー　　The Bouncer
2. ホエン・タイム・ストゥッド・スティル　　When Time Stood Still
3. ジュリー・ドント・リヴ・ヒア　　Julie Don't Live Here

『タイム』は、ELOの音楽性を新たな方向に進めた意欲作であると同時に、様々な制約の中で制作された苦悩の作品でもありました。このアルバムは、ELOの歴史における重要なターニングポイントとして、今もなお多くのファンに愛されています。

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