タイムギャル

タイムギャル (TIME GAL)

『タイムギャル』は、1985年にタイトーが制作・販売したレーザーディスクゲームです。美しいアニメーションとタイムトラベルをテーマにしたSF風の世界観で、当時のゲームセンターで人気を博しました。

概要

物語は、未来の大悪党ルーダがタイムマシンを強奪し、時空の彼方へ逃亡するところから始まります。歴史保安警察のエースである「タイムギャル」ことレイカが、過去から未来を股にかけてルーダを追跡するというストーリーです。

ゲームデザインは『忍者ハヤテ』から藤原英裕が、サウンド・ディレクターは今村善雄が担当。アニメーション監督は今沢哲男、キャラクター・デザインは我妻宏が手掛けました。アニメーション制作は東映動画（現・東映アニメーション）、実制作はスタジオジュニオが担当しています。

主人公レイカの魅力的なキャラクター性と、ミス時のコミカルな演出が人気を集め、レーザーディスクゲームの中でも特に高い知名度を誇る作品となりました。

ゲームシステム

ゲームシステムは『忍者ハヤテ』をベースにしています。プレイヤーは、4方向レバーとボタンを使ってレイカを操作し、各時代で発生するアクシデントに対処します。

画面に表示される指示に従い、タイミング良くレバーやボタンを操作するのが基本です。難易度によって指示アイコンの表示が変化し、最高難易度ではアイコンが非表示となり、画面内の光を頼りに入力方向を判断する必要があります。

本作独自の要素として、追い詰められたレイカが危機を脱するために時間を一時的に停止させる「タイムストップ」イベントがあります。タイマーボールが光った際にボタンを押すと選択肢が表示され、適切なものを選択することで危機を脱出できます。

入力の正解ごとにスコアが加算され、一定スコアごとに残機が増加します。ミスやタイムストップイベントでの選択ミスにより残機が減少し、残機がなくなるとゲームオーバーとなります。

ストーリー

時空間航行技術が確立された31世紀初頭。世界唯一のタイムマシンが、30世紀最大の悪党ルーダに強奪されます。歴史保安警察のエース、レイカはタイムスーツを身にまとい、ルーダを追って過去から未来へタイムトラベルを開始します。

レイカは、行く先々で遭遇する様々なアクシデントを、持ち前の能力を駆使して乗り越えながら、タイムマシンの奪還を目指します。

ステージ構成

全16シーンで構成され、一部のシーンでは映像が左右反転し、レバー入力が逆になるという仕掛けがあります。エンディングを迎えるには、全てのシーンをクリアする必要があります。

他機種版

メガCD版: 欧米でも発売され、残機や難易度の設定が可能。隠し要素も存在します。
PlayStation/セガサターン版: 『忍者ハヤテ』とのカップリング移植。DIPモードによる設定変更や、鑑賞モード、サウンドテストモードなどの特典があります。
スマートフォン版: タイトークラシックスの第一弾として配信。コンティニューが無制限になり、難易度設定やシアターモード、トレーニングモードなどが追加されています。
Nintendo Switch版: HDリマスター版が『忍者ハヤテ』、『宇宙戦艦ヤマト』と共に収録。スマートフォン版の内容をベースにしています。

開発

アニメーション映像は東映動画が制作。スコアや選択肢などの情報はラスターグラフィックスとして、アニメーション映像に重ねて表示されます。LDメディアへのプレスはパイオニアが行いました。

初期のプレイ料金設定が高額だったことや、筐体のメンテナンスが難しかったことから、稼働可能な状態で現存する筐体はほとんどないと言われています。

主題歌

オープニングテーマは「時空をこえて」。レイカ役の山本百合子が歌唱を担当しています。

スタッフ

ゲームデザイン：藤原英裕
アニメーション制作：東映動画

反響

レイカのミス時のコミカルなリアクションが人気を博し、わざとミスをしてリアクションを楽しむプレイヤーもいました。レイカはタイトーのマスコットキャラクターとしても扱われ、ポスターや販促媒体などに登場しました。

評価

アニメーションのクオリティや、ゲームの斬新なシステムが高く評価されました。移植版も、原作の再現度や追加要素などが評価されています。

『タイムギャル』は、その美しいアニメーションと独特なゲーム性で、レーザーディスクゲームの歴史に名を刻む作品となりました。

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