タイムシフト視聴率

タイムシフト視聴率について

タイムシフト視聴率とは、録画されたテレビ番組が視聴された割合を示す統計指標で、日本の視聴率調査会社「ビデオリサーチ」が2015年から提供を開始しました。具体的には、放送された番組が放送日から7日以内にどれくらいの家庭で再生されたかを示し、その数値をもとに視聴率を算出します。このように、近年増加する録画視聴の実態を反映することで、視聴率調査の精度向上を図っています。

背景

従来の視聴率は、リアルタイムでテレビを観る人たちの割合のみを示していました。しかし、デジタル録画技術の普及に伴い多くの視聴者が番組を後から視聴するようになり、これを反映する必要性が生じました。ビデオリサーチは2012年夏から試験的にタイムシフト視聴率の調査を行っており、最初は東京都心からの特定地域に限られたものでした。その後、調査対象を関東地方の広範な地域に拡大し、最終的には日本各地を対象とした正式な調査に発展しました。

調査方法

タイムシフト視聴率の調査は、音声フィンガープリント技術を用いた機械的な方法で行われています。この方式では、視聴者が特定の期間にどの番組を再生したのかを記録し、7日以内の視聴を統計としてまとめます。このメカニズムにより、多様な視聴スタイルに応じたデータが蓄積され、従来のリアルタイム視聴率との併用が可能になります。

初期の結果と展望

2014年には春季編成期間における初回のタイムシフト視聴率のデータが発表され、上位にランクインした番組の多くがドラマであり、リアルタイムとタイムシフト視聴率を合わせた結果、20%以上の視聴率を達成する番組もありました。このように、タイムシフト視聴率は番組の人気や影響力を測る新たな指標として重要性を増しています。

定期調査の開始

正式なタイムシフト視聴率調査は、2016年の年度下期から開始され、これにより関東地区でのリアルタイム視聴率調査世帯600とタイムシフト視聴率調査世帯300を合わせた900世帯からのデータ収集が行われています。さらには、2018年以降には関西地区や名古屋地区でも同様の調査が実施される予定であり、全国規模での視聴傾向の把握が進む見込みです。

総合視聴率の概念

ビデオリサーチでは、タイムシフト視聴率を考慮した総合視聴率という考え方を導入しています。この場合の総合視聴率は、リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率を足し、重複視聴率を引いたものとして表されています。このような数値の算出により、より正確な視聴者の動向を把握することが可能になります。

タイムシフト視聴率は、テレビ視聴の形態が変化する中で、視聴者の行動を正確に表し、今後のテレビ産業への影響を与える重要な指標となっています。

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