タイムトライアルバイク

タイムトライアルバイクについて

タイムトライアルバイク、通称TTバイクは、自転車ロードレースにおけるタイムトライアル競技専用の自転車です。特に個人タイムトライアル（ITT）やチームタイムトライアル（TTT）での使用に適した設計がされています。

特徴と設計思想

通常のロードバイクとは異なり、タイムトライアルバイクは主に空気抵抗をできるだけ低減することを重視しています。一般的なロードバイクが集団走行やゴールスプリントなどの場面での操舵性を重視しているのに対し、TTバイクは単独での高速走行が想定されています。そのため、ハンドルが低い設計で、登坂性能はあまり考慮されていません。これにより、選手は空気抵抗を最小限に抑えながら、安定した走行が可能となります。

ハンドルと操作性

TTバイクの最大の特徴は、独自のハンドル設計にあります。通常のドロップハンドルではなく、ブルホーンハンドルと呼ばれる形状が採用されており、アームレストと一緒に使います。ライダーは肘をアームレストに乗せ、ダウンヒルバーを握ることで、空気抵抗の少ない体勢を維持します。この体勢により、長時間にわたってパフォーマンスを発揮できます。しかし、制動と変速を同時に行うことが難しく、立ち漕ぎの移行が遅れるという操作性のデメリットも存在します。

ホイール構成と各種工夫

タイムトライアルバイクのホイールは、一般的に前輪にディープリムホイール、後輪にディスクホイールを使用します。この構成は、風を受けたときの安定性を保ちながら、空気抵抗を減らすことを狙っています。また、ブレーキの配置や形状、シートポストの角度など、さまざまな部分で設計上の工夫が施されています。これらの要素は、選手が高速巡航を行うために重要です。

競技での使用状況

タイムトライアルバイクは基本的にタイムトライアル専用のバイクであり、山岳競技などでは通常のロードバイクが好まれます。例えば、ジロ・デ・イタリアでは、登坂性能が優れたロードバイクが一般的に使用されています。

トライアスロンでは、ドラフティングや集団走行が禁止されているため、TTバイクやTRIバイクと呼ばれる競技特化型の自転車が多く用いられます。トライアスロンでは、レースの形式に応じて自転車も選択されるため、選手はアプローチによって異なるバイクを使い分けることが求められます。

まとめ

タイムトライアルバイクは、個人やチームでのタイムトライアルに特化した設計がされており、空気抵抗の低減や安定性を重視しています。最新の規定にも適合しており、競技において重要な役割を果たしています。高いパフォーマンスを発揮するためには、TTバイクの特性を理解し、適切に活用することが肝要です。

もう一度検索