タイ・ロー

タイ・ロー（Tajuan Ernest "Ty" Law, 1974年2月10日 - ）は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州アリクイッパ出身の元アメリカンフットボール選手です。現役時代のポジションはコーナーバックでした。

ミシガン大学でカレッジフットボールをプレーした後、1995年のNFLドラフトでニューイングランド・ペイトリオッツから1巡目全体23番目で指名され、NFL入りを果たしました。ペイトリオッツでは3度のスーパーボウル制覇に貢献し、プロボウルに2回、オールプロ第1チームに5回選出されるなど、輝かしい実績を残しました。オールプロ選出のうち1回は、ニューヨーク・ジェッツ所属時のものです。

現役通算で53インターセプトを記録し、2019年にはプロフットボール殿堂入りを果たすなど、NFL史上優れたディフェンスバックの1人として広く知られています。

ペイトリオッツでの活躍

1995年のNFLドラフトで、ペイトリオッツは1巡目全体23番目でローを指名しました。この年のドラフトでは、タイローン・プールに次いで2番目に指名されたコーナーバックでした。

1995年7月20日、ローはペイトリオッツと5年契約を締結。トレーニングキャンプでのポジション争いの結果、ヘッドコーチのビル・パーセルズは、ローを3番手のコーナーバックとしてシーズン開幕を迎えました。しかし、ローはすぐに頭角を現し、開幕戦のクリーブランド・ブラウンズ戦でNFLデビューを飾りました。奇しくも、この時のブラウンズのヘッドコーチは、後にペイトリオッツの黄金時代を築くことになるビル・ベリチックでした。第4週には先発起用され、第12週には1番手のコーナーバックだったモーリス・ハーストの放出に伴い、1番手のコーナーバックに昇格しました。

第8週のバッファロー・ビルズ戦では、6タックル、キャリア初のインターセプトを記録する活躍を見せました。第15週のニューヨーク・ジェッツ戦では、シーズン最多の8タックル、1インターセプトを記録し、チームの勝利に貢献。第17週にもシーズン最多の8タックルを記録し、ジム・ハーボーから初のQBサックを奪いました。このシーズン、ローは14試合に出場し、7試合で先発。47タックル、9パス妨害、3インターセプト、1サックの記録を残しました。

1996年、前クリーブランド・ブラウンズ・ヘッドコーチのビル・ベリチックがペイトリオッツのアシスタント・ヘッドコーチに就任。このシーズンもローは先発コーナーバックとして活躍し、第11週から第13週まで怪我で休場したものの、自身初のインターセプト・リターン・タッチダウンを決めるなど、チームの地区優勝に貢献しました。ローは13試合に出場し、62タックル、9パス妨害、3インターセプト、1タッチダウンの記録を残しました。

ローは自身初のプレーオフ先発を果たし、ピッツバーグ・スティーラーズ、ジャクソンビル・ジャガーズを破り、第31回スーパーボウルに出場。しかし、ブレット・ファーヴ率いるグリーンベイ・パッカーズに敗れ、スーパーボウル制覇はなりませんでした。

1997年、ヘッドコーチのビル・パーセルズが解雇され、新ヘッドコーチとしてピート・キャロルが就任。ローは1番手のコーナーバックとして16試合に先発し、77タックル、11パス妨害、3インターセプトを記録しました。

1998年、ローは先発コーナーバックの座を維持し、第2週のインディアナポリス・コルツ戦では、ペイトン・マニングから2つのインターセプトを奪い、リターンタッチダウンも1回決めました。第8週のマイアミ・ドルフィンズ戦では、シーズン自己最多の7タックルを決め、1つのインターセプトを奪いました。このシーズン、ローは16試合に出場し、70タックル、32パス妨害、9インターセプト、1タッチダウンの記録を残し、ペイトリオッツ初の年間インターセプト1位となりました。この活躍により、キャリア初のプロボウルに選出されました。

1999年、ローはペイトリオッツとの契約延長に合意し、6年契約を締結。第6週のマイアミ・ドルフィンズ戦で7タックルを決め、ダン・マリーノからインターセプトリターンタッチダウンを決める活躍を見せました。シーズン終盤に手の怪我で3試合欠場しましたが、このシーズンは13試合に出場し、57タックル、9パス妨害、2インターセプト、1タッチダウンの記録を残しました。

2000年、ペイトリオッツはヘッドコーチのピート・キャロルを解雇し、ビル・ベリチックをヘッドコーチに迎えました。ローは新しいヘッドコーチの下でも先発コーナーバックの地位を維持し、第3週のカンザスシティ・チーフス戦で9タックルを決めるなど、安定した活躍を見せました。しかし、シーズン最終戦を前に薬物所持で検挙され、出場停止処分を受けました。

2001年、ローは1番手のコーナーバックとして復帰し、チームのスーパーボウル初制覇に貢献。第36回スーパーボウルでは、セントルイス・ラムズのカート・ワーナーからインターセプトを奪い、47ヤードのりーターンタッチダウンを決めて、チームの初得点を上げました。

2003年、ローはプロボウルに選出され、チームの強力守備を支えました。AFCチャンピオンシップゲームでは、インディアナポリス・コルツのペイトン・マニングからインターセプトを奪い、チームの勝利に貢献。第38回スーパーボウルではカロライナ・パンサーズを破り、スーパーボウル連覇を果たしました。

2004年、チームは第39回スーパーボウルを制覇しましたが、ローは足の怪我により、レギュラーシーズンを9試合、プレーオフを全試合欠場しました。

2005年、高額な年俸がネックとなり、ローはペイトリオッツから放出されました。しかし、ペイトリオッツの殿堂入りを果たし、その功績は高く評価されています。

ジェッツ、チーフス、ブロンコスでのプレー

2005年8月、ローはジェッツと3年契約を締結。移籍1年目には自己最多の10インターセプトを記録する活躍を見せました。しかし、高額な年俸がジェッツのサラリーキャップを圧迫したため、シーズン終了後にチームから放出されました。

2006年7月、ローはチーフスと契約を締結。2009年にはブロンコスと契約し、同年引退しました。

引退後

ローは引退後、トランポリンを備えた娯楽施設チェーンを設立。2014年にはペイトリオッツの殿堂入りを果たし、2019年にはプロフットボール殿堂入りを果たしました。

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