タツオ…嫁を俺にくれ

タツオ…嫁を俺にくれ

「タツオ…嫁を俺にくれ」は、ヴィジュアル系エアーバンド、ゴールデンボンバーが2018年9月1日にスクーデリア・ユークリッドのZany Zapレーベルからリリースした通算21枚目のシングル作品である。前作から約10ヶ月ぶりとなるリリースとなった。

本作は、購入形態によって内容が大きく異なる2タイプで販売された。一つは「超豪華盤」で、CDに加え、樽美酒研二にとって初となる写真集『Je t'aime 〜永遠に〜』、そしてミュージックビデオのメイキング映像や本作のレコーディング風景などを収めたDVDがセットになった特別仕様となっている。もう一つは「通常盤」であり、こちらはCDのみのシンプルな構成となっている。

超豪華盤に付属する写真集は、フランスのパリで撮影が敢行されたもので、2泊3日という短期間で100ページ分の撮影をこなすという非常にタイトなスケジュールで行われたという。この写真集には、樽美酒の臀部をモチーフにしたアート作品も掲載されており、これには鬼龍院翔がシンガーソングライターとして、喜矢武豊が段ボールアーティストとして、歌広場淳がインチキコラムニストとしてそれぞれ関わっているというユニークな内容が含まれている。

本シングルの楽曲制作においては、バンド結成以来ほぼ全ての楽曲の作詞作曲とボーカルを務めてきた鬼龍院翔ではなく、樽美酒研二が全ての楽曲の作詞作曲およびボーカルを担当した点が特筆される。鬼龍院翔は本作ではドラマーとしてレコーディングに参加している。樽美酒が楽曲制作を手がけるに至った理由について、彼は「鬼龍院翔が極端に忙しくなると、他のメンバーが非常に手持ち無沙汰になる。そこで我に返り、かつて曲を作っていたことを思い出して始めた」と語っている。

楽曲のテーマに関しては、樽美酒自身の言葉によると、「tatsuoの妻への思いが表現されている」という。さらに、「不倫の一歩手前」を描いたものであり、「自身の脳内の歌である」とも述べている。これにより、楽曲には彼の個人的な内面世界が強く反映されていることが窺える。

また、超豪華盤の購入者を対象とした特典イベントとして、「樽美酒研二・腹筋タッチ会」が実施された。イベント会場はソフマップAKIBA4号店のアミューズメント館8階にあるイベントスペースで行われた。この場所が選ばれた背景には、超豪華盤に樽美酒の1st写真集が特典として付属していること、そして写真集関連のイベントが開催される場所で実施したいというバンド側の意向があったという。このイベントでは、樽美酒自身もグラビアアイドルを思わせるようなスタイルで登場した。イベントは2部構成で行われ、第1部ではシングルの表題曲「タツオ…嫁を俺にくれ」の歌唱と腹筋タッチ会、第2部ではカップリング曲「近所の奥さんを支配する」の歌唱と腹筋タッチ会が行われ、ファンとの交流を深めた。

本作はオリコンチャートにおいて、発売初週に13,121枚のセールスを記録し、週間ランキングで9位を獲得した。これにより、ゴールデンボンバーとしては通算11作目のオリコントップ10入りを達成した。

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