タノタイガ

タノタイガは、東京都中央区を拠点に活動する美術家です。東京で生まれ、仙台で育ち、宮城県仙台第二高等学校、東京造形大学造形学部、東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科を修了しました。彼の作品は、社会に潜む矛盾を浮き彫りにすることをテーマとしています。

美術家としての活動

タノタイガは、立体造形、映像、パフォーマンスなど、多様な表現手法を用いて作品を制作しています。彼は、社会制度、ルール、法律といった記号性や媒体性を誇張し、風刺的な表現を行うことで知られています。時には、作者自身を媒体化し、日常に埋もれた社会や集団の倫理性を表出させます。彼の作品には、ユーモアと毒が共存しているのが特徴です。

主な活動として、「ニューアートコンペティションオブみやぎ2004」への入選、「7th SICF」でのオーディエンス賞受賞、「コネクティング・ワールド」、「アートみやぎ2007」、「青葉縁日2　おもしろ改造工場の夏祭り」、「WANAKIO2008」、「T+ANONYMOUS」、「現代美術も楽勝よ。」、「カフェイン水戸2011 かかわりの色いろ 展」、「タノンティア資料室」、「開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012」、「3・11とアーティスト: 進行形の記録」、「札幌国際芸術祭2017」、「あそびのじかん」、「美しいHUG!」など、数多くの展覧会に参加しています。また、平成18年度には宮城県芸術選奨新人賞を受賞しました。

さらに、教育活動にも携わり、「十勝アーティストインスクール」や「トヨタ・子どもとアーティストの出会い2010」などのアーティストインスクールプログラムやワークショップも開催し、子供たちと共に作品制作を行う活動も展開しています。

仙台市在住の美術家とともに、「タマニカイ」というアートイベントを開催していました。「タマニカイ」は、仙台市青葉区霊屋下のアパートとその周辺地域を舞台に、不定期に行われる特定の形を持たない表現活動です。アパートの一室を使い、公募で集めた作家の映像作品を外から見えるように展示したり、不特定の個人が交流できる場を設けたりするなど、ユニークな活動を展開していました。

宮城県で配布されていたフリーペーパー「たまにわ」の発起人でもあります。「日常にアートを」をコンセプトに、宮城県在住の作家たちが定期的に「たまにわ」で作品を発表していました（2009年から休刊）。

東日本大震災後の活動

2011年の東日本大震災発生後、タノタイガは故郷の仙台へいち早く駆けつけ、自身のボランティア活動を「タノンティア（タノタイガとボランティアの造語）」と名付け、ブログやツイッターで情報発信を行いました。せんだいメディアテークの協力のもと、タノンティアバスツアーを企画し、全国から多くのボランティアを受け入れ、被災地の復興支援に尽力しました。

この活動の様子は、2011年の「タノンティア資料室」や2012年の「3・11とアーティスト: 進行形の記録」で公開されました。ボランティア活動を楽しく行えるように、「バスツアーのしおり」「手拭い」「うちわ」などのグッズがタノタイガやボランティア参加者によって作成され、初音ミクが唄う「タノンティアの唄」はNHK日曜美術館でも紹介されました。

教育者としての活動

タノタイガは、母校である宮城県仙台第二高等学校や宮城教育大学で講師を務めるなど、教育者としての経験も持ち合わせています。


タノタイガの作品は、社会に対する鋭い洞察とユーモアを兼ね備えており、観る者に新たな視点を与えてくれます。

もう一度検索