タルンイ

タルンイとは

タルンイ（朝鮮語: 따릉이）は、ソウル特別市による公共自転車のシェアリングサービスで、2015年から運用が開始されました。このサービスは、自転車のベルの音に由来した名称で、英語では「Seoul Bike」、日本語では「ソウル自転車」と呼ばれています。

サービスの開始と発展

タルンイは、2015年10月にソウル市に初めて導入され、最初は漢江の右岸にある特定の地区で開始されました。開始当初、貸出所は150カ所、利用可能な自転車は1500台でした。その後、サービスは順調に拡大し、2016年には貸出所の数が300カ所に増加、利用できる自転車の数も3000台になりました。
市長だった朴元淳（パク・ウォンスン）は、さらに多くの自転車を市に提供したいと考え、最終的には20,000台に増やす意向を示していました。

乗継マイレージ制度

タルンイには追加の利便性を提供する「乗継マイレージ」制度があります。この制度では、年間パスを持つ利用者が公共交通機関を利用する前後30分以内にタルンイを使用することで、マイレージを貯めることができる仕組みとなっています。ただし、この特典は年間パスを持つ利用者に限られます。

韓国内のシェアサイクルサービス

韓国全土でも、タルンイに似た公共の自転車シェアリングサービスが目立ちます。例えば、大田広域市、慶州市、光州広域市、公州市、麗水市、釜山広域市の一部地域でも提供されています。

タルンイの歴史

前史

ソウル特別市での公共自転車レンタルサービスは、2000年にさかのぼります。最初のサービスは、有料の会員制で、地下鉄駅周辺で開始されました。2004年頃には松坡区が自転車特別区となり、公園内で無料サービスが行われました。2008年には無人レンタルサービスの拡大が進められました。

2007年には、ソウル市が自転車関連の政策を発表し、パリのヴェリブに似た無人公共自転車の導入を計画しました。自転車専用道路で5102か所の貸出所を設置し、82,400台の自転車を用意することを目指しましたが、具体的には進展が見られませんでした。

サービスの開始

2015年3月、ソウル特別市は自転車のデザインを市民の意見をもとに決定することを発表し、公募を行いました。その結果、「タルンイ」という名称が選ばれました。2020年には、QRコードによるレンタルシステムが導入され、利用者はより手軽に自転車を利用できるようになりました。

まとめ

このように、タルンイはソウル市の公共交通機関を補完する重要なサービスとして位置づけられ、今後もさらに成長することが期待されています。市民の日常生活に密接に関連したサービスとして、環境への配慮や利便性を提供する役割を果たしています。

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