タンペレの戦い

タンペレの戦い：フィンランド内戦における激戦

タンペレの戦いは、1918年のフィンランド内戦において、フィンランドのタンペレで3月15日から4月6日まで、白衛軍と赤衛軍の間で繰り広げられた戦いです。この戦いは、内戦の中でも最も激しく、最も有名な戦いの一つとして知られています。特に、白衛軍が降伏した数百人の赤衛軍兵士を処刑し、タンペレ収容所に収容された11,000人もの捕虜の命が失われたという悲惨な結末は、深く記憶されています。

背景

1910年代のタンペレは、フィンランドで3番目に大きな町であり、郊外を含めると人口は約6万人に達していました。フィンランドで最も工業化された町であり、フィンランドの労働運動の中心地でもありました。1905年のゼネストでは重要な役割を果たし、労働組合と社会民主党の拠点となっていました。

1918年1月下旬に内戦が勃発すると、赤衛軍はタンペレの北100キロメートルに位置するハーパマキの重要な鉄道分岐点を標的にしました。前線は間もなくタンペレの北50〜60キロメートルにまで迫り、タバスティア戦線は戦争の主要な戦場となりました。労働者階級の人口が多く、鉄道が通っていたタンペレは、赤衛軍の主要な拠点となりましたが、赤衛軍政府はヘルシンキで活動していました。1月27日、タンペレは完全に赤軍の支配下に置かれました。タンペレ赤衛隊は約6,000人の兵員を擁しており、そのうち約5パーセントにあたる300人が女性でした。

タンペレの包囲

2月下旬から3月上旬にかけて赤衛軍の攻勢が失敗に終わると、白衛軍は3月15日にタンペレに対する作戦を開始しました。その目的は、タヴァスティア戦線で赤衛軍を包囲し、タンペレに侵攻することでした。ヤムサ、オリヴェシ、ルオヴェシ、ヴィルップラで激しい戦闘が繰り広げられました。最も激戦となったのは、3月16日のヤムサのレーンキポヤの戦いと、その2日後のオリヴェシの戦いでした。赤衛軍の戦線は崩壊し、タンペレに向かって撤退しました。赤衛軍参謀は降伏する代わりに、可能な限りタンペレを防衛することを決定しました。白衛軍は3月23日にタンペレに到着し、17,000人の兵力でタンペレを包囲しました。ユロヤルヴィ、ピルッカラ、メスキラ、アイトラハティ、レンパーラ、ヴェシラハティ、トッティヤルヴィ、さらに西のサタクンタ戦線ではカルクとヘーメンキョで関連する戦闘が繰り広げられました。

3月23日、白軍は北東からタンペレに接近し、タンペレの東10キロメートルに位置するヴェハイネンで赤軍と衝突しました。その後2日間、白軍は南東にあるメスキラ郊外（一時タフフティ村を占領）と、タンペレの南15キロメートルに位置するレンパーラ村も攻撃しましたが、撃退されました。白軍の大砲が町への砲撃を開始し、赤軍は東部の労働者階級が住むタンメラ地区からの避難を余儀なくされました。白軍はタンペレの東15キロメートルに位置するカンガサラ村を占領しましたが、装甲列車を使って300人の赤軍兵士が進撃する白軍を食い止め、メスキラまで逃げ延びました。3月24日の夜、赤軍はレンパーラを失い、白軍は赤軍の主要な補給線であったリヒマキ-タンペレ鉄道を遮断することに成功しました。

白衛軍は3月26日、タンペレの西20キロメートルに位置するシウロ村のポーリ鉄道のシウロ駅を占領し、包囲網を完成させました。 同日、赤軍はメスキュラの防衛拠点を離れ、カレヴァ地区の隣に新たな陣地を形成しました。白軍はタンペレの北西10キロメートルに位置するユロヤルヴィの占領にも成功しました。ユロヤルヴィを占領した後、白軍は即座に町の西側のエピラと南側のHatanpääで攻撃を続行しましたが、大きな損害を被り、押し戻されました。対する赤軍は、エイノ・ラハの指揮の下、レンパーラで3,500人規模の反撃を開始しました。トゥルクとイレーネの赤軍は、ヘルシンキ南回りの鉄道に沿って同時突破を試みました。最大30人の戦闘員が戦死し、装甲列車は撤退を余儀なくされました。3月27日、メスキラ-カレヴァ地区、エピラ、レンパレでは戦闘が続いていました。

血の木曜日

3月28日は、白衛軍にとって内戦中最大の死傷者を出す日となり、後に「血の木曜日」と呼ばれるようになりました。白衛軍はタンペレを完全に制圧するため、大規模な攻勢を仕掛けました。戦闘は町の東側にあるカレヴァンカンガス墓地や競馬場周辺に集中しました。攻撃は午前9時ごろに開始され、7時間にわたる戦闘の後、白衛軍はカルヴァ地区から赤衛軍を追い出すことに成功しましたが、町まで到達することはできませんでした。

この戦いでは、準軍備組織の白衛軍に代わり、徴兵された兵士で構成され、猟兵将校が指揮する部隊が投入されました。徴兵された兵士は、志願兵の白衛軍よりも指揮しやすく、激しい戦闘に送り込むのが容易でした。しかし、今度は戦争経験の不足が問題となり、それが大きな損失を招きました。3個白軍大隊で少なくとも200人が死亡し、死傷者の総数は戦力の50%以上に達しました。また、志願兵のスウェーデン旅団とドイツで訓練を受けた猟兵部隊も大きな損失を被りました。スウェーデン兵は白い雪迷彩の戦闘服を着ていたため、雪がほとんど降らなかった状況では格好の標的となりました。猟兵は緑の制服を着ており、灰色のスーツを着た兵士たちから容易に識別されました。その結果、400人のスウェーデン旅団は20人、猟兵部隊は27人の将校を失いました。

この日、赤軍は50〜70人の戦闘員を失いました。赤軍のリーダーであるウーゴ・サルメラは、本部で手榴弾が偶然爆発して死亡しました。彼の後を継いだのはヴェルナー・レフティマキでした。フランスのジャーナリスト、アンリ・ラポルトによると、レフティマキは部下を鼓舞するために、車で赤軍の前線を何度も往復したということです。ラポルトはロシアへの公式任務から戻った退役軍人でした。彼は後に1929年の著書『赤軍の初戦』で、タンペレの戦いの体験を語っています。

攻撃が失敗した後、白軍はその後5日間、攻撃を停止しました。町への砲撃を行ったのは砲兵隊のみでした。砲撃により、少なくとも20人の民間人が死亡し、その中には中立派や白軍支持者も含まれていました。タンメラとキュッタラの労働者階級地区は、ほぼ完全に破壊されました。この5日間、レンパーラでは戦闘が続き、赤軍は依然として必死に突破を試みていました。

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