タヴァレス (グループ)

タヴァレス

タヴァレスは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ニューベッドフォードで結成された、才能あふれる兄弟による音楽グループです。その家族は西アフリカ沖に位置する島国、カボ・ヴェルデ共和国にルーツを持つ移民であり、特に音楽家であった父親のもと、故郷の音楽が息づく環境で成長しました。このような背景は、彼らの後の音楽スタイルに豊かな影響を与えたと考えられています。

音楽キャリアの開花

グループは1970年代に入り、キャピトル・レコードと契約を結び、本格的な音楽活動を開始しました。彼らはその卓越したヴォーカル・ハーモニーと、ソウル、R&B、そして当時の台頭しつつあったディスコの要素を融合させたサウンドで注目を集め始めます。

大きな転機が訪れたのは1974年です。この年に発表したシングル「シーズ・ゴーン（She's Gone）」が大きな成功を収め、彼らの名を広く知らしめるきっかけとなりました。この勢いをさらに加速させるように、翌1975年には軽快でアップテンポな「イット・オンリー・テイクス・ア・ミニット（It Only Takes a Minute）」がヒット。この楽曲は、その後のディスコ・クラシックとしても語り継がれる人気曲となります。さらに1976年には、天国的な調べを持つバラード「ヘブン・マスト・ビー・ミッシング・アン・エンジェル（Heaven Must Be Missing an Angel）」が大ヒットし、タヴァレスは1970年代半ばを代表するヴォーカル・グループとしての地位を確立しました。

『サタデー・ナイト・フィーバー』への貢献

タヴァレスのキャリアにおいて、特に世界的な名声をもたらしたのが1978年の出来事です。当時、空前のディスコ・ブームを巻き起こしていた映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックに楽曲が採用されました。提供した「モア・ザン・ア・ウーマン（More Than a Woman）」は、ビー・ジーズによる同名の楽曲と共にサウンドトラックの中でも重要な位置を占め、単独でも大ヒットを記録。この映画の成功は彼らの楽曲を世界中のリスナーに届け、その人気を不動のものとしました。

スタジオ・アルバムの軌跡

キャピトル・レコード在籍中、タヴァレスは精力的にアルバム制作を行いました。デビュー・アルバムは1974年の『チェック・イット・アウト（Check It Out）』です。同年には早くもセカンド・アルバム『ハード・コア・ポエトリー（Hard Core Poetry）』を発表しており、これはかつて『タバレスの旋風』という邦題でも親しまれました。続いて、1975年にはヒット曲「イット・オンリー・テイクス・ア・ミニット」を収録した『イン・ザ・シティ（In the City）』、邦題『愛のディスコティック』をリリース。1976年には『スカイ・ハイ！（Sky High!）』を発表、旧邦題は『ディスコ天国』と、当時の彼らの音楽性がよく表れたタイトルでした。1977年の『ラヴ・ストーム（Love Storm）』は『俺たちの嵐』という旧邦題がつけられています。映画サウンドトラックからのヒットを含む1978年のアルバムは『フューチャー・バウンド（Future Bound）』、かつての邦題は『遥かなる魂 (ソウル)』でした。その後も彼らはキャピトルからアルバムを出し続け、1979年には『マダム・バタフライ（Madam Butterfly）』、1980年には『スーパーチャージド（Supercharged）』と『ラヴ・アップライジング（Love Uprising）』の2枚を発表。キャピトルでの最後のアルバムは1981年の『ラヴライン（Loveline）』でした。1982年にはレーベルをRCAレコードに移籍し、『ニュー・ダイレクションズ（New Directions）』をリリース。RCAからのセカンドであり、現時点での最後のスタジオ・アルバムは1983年の『ワーズ&ミュージック（Words and Music）』となっています。

タヴァレスは、その優れたヴォーカル・ワークと時代を捉えたサウンドプロダクションにより、1970年代のソウル、R&B、ディスコシーンにおいて確固たる地位を築きました。彼らの残した数々のヒット曲は、今日でも多くの人々に愛され続けています。

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