ターディス

ターディス：時空を超える青い箱

イギリスのSFドラマ『ドクター・フー』で主人公のドクターが使用する、時間と空間を超える移動装置がターディスです。「Time And Relative Dimension In Space」の略称で、その名の通り、宇宙における時間と相対的な次元を操るタイムマシンと言えるでしょう。しかし、ドクターのターディスは、目的地に正確に到着するとは限らず、しばしば予期せぬ時代や場所に降り立つという、気まぐれな一面も持ち合わせています。外見は一見普通の青いポリスボックスですが、内部は驚くほど広く、様々な部屋や機能が備わっています。

ターディスの機能と特徴

操縦と操作性：本来は6人で操縦するのが理想的な設計で、6つの酸素マスクと6面ある制御盤がその証です。レバーやダイヤルといったアナログな操作盤が特徴ですが、ターディス自身による自動移動や、ドクターのテレパシー、ソニックドライバーによる遠隔操作も可能です。

生命体としてのターディス：ドクターはターディスを単なる機械ではなく、まるで生き物のように扱います。タイムロードである彼ですら作り出すことはできず、「育てる」必要があると語るほどです。過去には、破壊されたターディスの残骸から新たなターディスを製作したこともありましたが、その際にも別のターディスからのエネルギー注入が不可欠だったことから、その生命エネルギーの重要性が伺えます。また、ターディスは独自の意思を持ち、各時代でキーワードを残すなど、不思議な行動も示します。危険な時代や場所への着陸を拒否し、シャットダウンすることもあります。

エネルギー源：時空間の裂け目から漏れ出すエネルギーがターディスの燃料です。ドクターは時空間の裂け目が多いカーディフで燃料補給を行うことが多く、裂け目の規模によって補給時間は大きく変動します。パラレルワールドのエネルギーは燃料として利用できないようです。

防御力と修復能力：ターディスのドアは頑丈な作りで、容易に破壊できません。本体も非常に頑丈で、惑星から落下するような衝撃にも耐えうる強度を誇ります。さらに、驚くべき自己修復機能も備えており、深刻な損傷を短時間で修復することも可能です。

キーと遠隔操作：ターディスには、ターディスと繋がりを持つと発光する特徴的なキーが存在します。このキーはターディスを遠隔操作し呼び出すことが可能です。ドアは通常キーで開閉しますが、ドクターのフィンガースナップでも開閉できることが判明しています。

高度な航行能力：ブラックホールからの脱出や、異空間からの地球の救出など、他の宇宙船では不可能な偉業を成し遂げるほどの性能を備えています。また、ターディスの表面に触れているだけで時間移動できるという、特異な性質も持ち合わせています。ただし、この方法での移動は危険が伴います。

ボルテックス・エネルギー：ターディスの生命エネルギーであるボルテックス・エネルギーは、生命の再生や無限の命を与えるほどの力を持つ一方、莫大な破壊力も秘めています。ターディスの魂とコンタクトすることで、タイムロードのように宇宙の全てを見ることができるとも言われています。

カメレオン回路：周囲の環境に溶け込むように外観を変化させる機能。ドクターのターディスは、この回路が故障したため、ポリスボックスの姿のままになっています。

自動翻訳機能：あらゆる言語を乗員に理解できる言語に翻訳する機能。ただし、極端に古い言語は翻訳できない場合もあります。ドクターの再生時や昏睡状態の時は機能しません。

緊急プログラム1：危険な敵と遭遇した場合、乗員を別の時代に避難させ、ターディス自身は機能停止するという緊急プログラム。ドクターが死を覚悟した際に使用されます。

内装：外見からは想像もつかない広大な内部空間には、居住スペース、図書館、温室など、様々な施設が備わっています。内部構造はターディスの意思によって変化します。

コンソール：様々な装置が備わった複雑な制御盤。緊急プログラムの設定や、特定条件下でのホログラム通信なども可能です。ドクターの再生時には、再生エネルギーによって破壊されることもあります。

クローゼット：あらゆる時代の服装が収納されています。

ターディスの種類：ドクターのターディス以外にも、様々なタイプのターディスが存在します。

ドクターのターディス

ドクターが使用するターディスは、旧型のタイプ40です。彼は絶滅したタイムロードの生き残りであり、彼のターディスは唯一現存するターディスだと言われています。ギャリフレイの修理工場から初代ドクターが盗んだもので、シリーズを通して様々な事件や冒険を共にしています。シリーズを通して、ターディスの生命エネルギーとドクターの運命は深く絡み合っています。

タイムパラドックスとリーパー

タイムマシンであるターディスは、タイムパラドックスを引き起こす可能性があります。パラドックス発生時には、リーパーと呼ばれる存在が時空間の傷を修復しようと現れ、周囲を消滅させてしまいます。タイムロードが存命中であればリーパーの出現は抑えられていましたが、タイムロードの絶滅後は、タイムパラドックスは非常に危険なものとなっています。パラドックスマシンを用いることで、リーパーの出現を抑えつつ歴史改変を行うことも可能です。

ターディスの制限

時間移動後、過去に戻って行動を修正することは基本的に不可能です。また、特定の場所では時間空間が不安定で着陸できない場合もあります。UNITのブラックアーカイブは、ターディスをブロックする技術を持っています。

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