ターラカー

ターラカーとは

ターラカー（梵: ताड़का , Tāṛakā）は、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する特異な存在のヤクシニーです。彼女はスンダというヤクシャ族の男性と結婚していましたが、その夫とともに数々の運命的な出来事を経験します。ターラカーはまた、マーリーチャという子供を持ち、彼女自身の悲劇的な運命を色濃く反映するキャラクターでもあります。

背景

ターラカーはもともと子供ができず、そのことを嘆いていたヤクシャ族の一人、スケートゥによってブラフマー神に授けられた存在だとされています。ターラカーの体は巨大で、山のような体躯を持っており、その力は千頭の象に匹敵すると言われています。このような背景が彼女の物語の出発点であり、彼女の壮絶な運命の第一章となるのです。

復讐の運命

ターラカーは夫スンダが聖仙アガスティヤに討たれたことを深く恨み、復讐を誓います。彼女はマーリーチャと共にアガスティヤに対する復讐を企てるものの、運命は彼女に残酷な結末を与えました。ターラカーは呪いを受け、結果的に醜悪な女怪へと変貌してしまいます。

街の滅亡

また、ターラカーはその恐ろしい力を使って、ガンジス河とサラユ河の合流地点近くに存在した二つの都市、マラダとカルーシャを滅ぼしました。その跡地に広がっていた森林に住んでいたことが知られています。彼女の行動は彼女の復讐心を反映しており、彼女の凶暴さが伺えます。

ラーマとの戦い

後にターラカーは聖仙ヴィシュヴァーミトラの導きによってやってきたラーマとラクシュマナと対峙することとなります。彼女は、ラーマたちに戦いを挑み、岩や石を天に舞い上げて、それを石つぶてとして攻撃しました。しかし、ラーマは女性を殺すことに躊躇し、ターラカーの両腕を切り落としました。さらに、ラクシュマナも彼女の鼻と耳を切り落とすという厳しい展開が待ち受けていました。それでもターラカーは怯まず、果敢に戦い続けました。この戦いでは、彼女の凄まじい力と意志が示されますが、最終的にはラーマの矢によって討ち取られることになります。

結論

ターラカーは、その壮絶な運命、強大な力、並外れた復讐心を持つキャラクターであり、物語の中で重要な役割を担っています。彼女の物語は、力強さと悲劇の両方を併せ持ち、読者に強烈な印象を残すことでしょう。ターラカーの存在は『ラーマーヤナ』全体において、彼女の持つ力と悲しみが織りなす重要なテーマを示しています。

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