ダイナソーJr.

ダイナソーJr.について

ダイナソーJr.（Dinosaur Jr.）は、アメリカのオルタナティヴ・ロックバンドで、特に1990年代のグランジやオルタナティブシーンの中で大きな影響を与えたバンドとして知られています。彼らの音楽は、ノイジーなギターサウンドとポップなメロディに気だるいヴォーカルが組み合わさった特徴的なスタイルで、多くの音楽ファンに親しまれています。

結成と初期の活動

ダイナソーJr.は1983年、マサチューセッツ州ボストン郊外のアマーストにて、ハードコア・パンクバンド「ディープ・ウーンド」のメンバーであったJ・マスシスとルー・バーロウによって結成されました。当初のバンド名には「Jr」が含まれていませんでしたが、同名のバンドが存在することがわかり、1987年に改名しました。

1985年にはニューヨークのインディーズレーベル、ホームステッド・レコードからデビューアルバム「Dinosaur」をリリースし、これがバンドの名を広める契機となりました。インディーシーンの重鎮ソニック・ユースに認められた彼らは、SSTレコードと契約し、1987年にはセカンドアルバム「You're Living All Over Me」、1988年にはサードアルバム「Bug」をリリースしました。特に「Bug」のリリースをきっかけにツアーが行われましたが、バンド内の対立が深刻化し、ルー・バーロウはバンドを脱退します。

活動の中断と再生

1991年、J・マスシスはドン・フレミングと共に4thアルバム「Green Mind」をレコーディングし、これがメジャーレーベルからのリリースとなります。しかし、続くアルバム「Where You Been」の発表後にはドラム担当のマーフが脱退し、J・マスシスがほぼすべての楽器を担当する形になってしまいました。1997年にはバンド活動が終了し、しばらくの間沈黙が続きました。

再結成と最近の活動

2005年、ダイナソーJr.はオリジナルメンバーでの再結成を発表しました。同時に過去のアルバムの再発も行われ、ファンの注目が集まりました。その後、2007年には新作アルバム「Beyond」をリリースし、18年ぶりのオリジナル音源が話題になりました。2012年には10thアルバム「I Bet On Sky」を、2016年には11thアルバム「Give a Glimpse of What Yer Not」をリリースし、バンドの活動は続いています。

2019年には、アルバム「Without A Sound」に収録されていた『Over Your Shoulder』が日本のビルボードチャートで急浮上する出来事もありました。これは、バラエティ番組での挿入歌としての使用がきっかけだと考えられています。

2021年には、12thアルバム「Sweep It Into Space」がリリースされ、その制作にはマスシスとカート・ヴァイルが携わりました。

メンバー紹介

バンドのリーダーであるJ・マスシスは主にボーカルとギターを担当し、ドラムもこなす才能豊かなミュージシャンです。彼はソロアルバムもいくつかリリースしています。ルー・バーロウはベースを担当し、一時期脱退していた間にはセバドーなどで活動していました。ドラム担当のマーフは、レモンヘッズに参加していたこともあります。

バンドとして活動し続けるダイナソーJr.は、オルタナティヴ・ロックの歴史において重要な存在であり、今後の動向にも注目が集まります。

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