ダイパーズ・ドット・コム

ダイパーズ・ドット・コム（Diapers.com）は、2005年にマーク・ロアとヴィニット・ブハララによって設立されたベビー用品専門のオンラインストアです。ニュージャージー州モントクレアに拠点を置き、当初は「1800DIAPERS」として、おむつ、おしりふき、乳幼児用ミルクといった消耗品の販売からスタートしました。

創業当初、主要メーカーがスタートアップへの製品販売を拒否したため、創業者たちは自らのクレジットカードを使って資金を調達し、トラックを借りて東海岸の卸売店を奔走し、商品を買い付けました。この困難を乗り越え、2006年にはニュージャージー州モントクレアにオフィスを構え、翌年には初の常勤社員を雇用するまでに成長しました。

ダイパーズは、倉庫業務の自動化にKiva robotsを導入し、配送にはUPSとFedExを組み合わせることで効率化を図りました。2008年後半には、衣類、チャイルドシート、乳母車、玩具など、取り扱うベビー用品の範囲を大幅に拡大しました。

2009年には、雑誌「Inc.」によって、ダイパーズは全米企業ランキングで35位、小売業部門では1位、ニューヨーク都市圏では3位、インド人が運営する企業としては5位にランクインしました。この頃には、企業名をクイッツイ（Quidsi）と改名し、傘下に複数のオンラインストアを抱えるようになりました。

クイッツイは、「もし～だったらどうする？」という意味のラテン語に由来し、健康・美容用品の「Soap.com」、高級美容品の「BeautyBar.com」、ペット用品の「Wag.com」、玩具・ゲームの「YoYo.com」、室内装飾・家庭用品の「Casa.com」、自然食品の「VineMarket.com」、子供向けスポーツ・アクティビティの「AfterSchool.com」、子供向け書籍の「Bookworm.com」、子供服の「Look.com」など、多様なオンラインストアを運営していました。これらのサイトは共通のショッピングカートを利用することができました。

2010年11月8日、Amazon.comはダイパーズと「Soap.com」を運営するクイッツイを5億4500万ドルで買収しました。しかし、買収後もクイッツイは独立して運営を続け、2017年4月までAmazonのZappos.comと同様の統合モデルを採用していました。しかし、2017年3月、Amazonはダイパーズを含むクイッツイ傘下のサイトを不採算事業として閉鎖することを決定しました。

2017年4月19日には、ダイパーズ、Soap.com、Wag.com、BeautyBar.com、Casa.com、YoYo.comが閉鎖され、Amazon内の新しいサイトに統合されました。これにより、以前のURLからでも新しいサイトにアクセスできるようになりました。クイッツイの本社および顧客サービス部門の従業員約260人は、6月に解雇されました。現在は、Quidsi.comはAmazon.comにリダイレクトされます。

ダイパーズ・ドット・コムは、ベビー用品のオンライン販売の先駆者として、その後のeコマース業界に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

関連リンク

Diapers.com
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Soap.com
* Wag.com

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