ダイ・ハード

ダイ・ハード（Die Hard）

概要

『ダイ・ハード』は、1988年に公開されたアメリカのアクション映画で、ジョン・マクティアナンが監督を務め、ブルース・ウィリスが主演する。この作品は、アクション映画の新たなスタンダードを確立し、現在でも最高のアクション映画の一つと見なされている。物語は、ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンがクリスマス・イヴに別居中の妻ホリーと再会するためロサンゼルスに向かうところから始まる。しかし、彼が参加したパーティーは、ドイツ人テロリストのリーダー、ハンス・グルーバーに占拠されてしまう。マクレーンは一人で不利な状況に立ち向かい、様々な手段を使って人質を救おうと奮闘する。

映画の製作背景

『ダイ・ハード』は、もともと1987年に脚本家ジェブ・スチュアートによって書かれたもので、ロデリック・ソープの小説『Nothing Lasts Forever』を基にしていた。20世紀フォックスは、この脚本を気に入り、制作を開始した。当初はシュワルツェネッガーやスタローンといったアクションスターにオファーを出したが、彼らが断ったため、主にテレビのコメディで知られたブルース・ウィリスが起用されることとなった。この決定は、当時の業界関係者には波紋を呼び、リスクを伴う投資と見なされていた。しかし、ウィリスの演技と監督の演出が評価され、映画は予想以上の成功を収めることになる。

製作は1987年11月から1988年3月にかけて行われ、予算は2500万ドルから3500万ドル。ロケ地としては主にロサンゼルスのフォックス・プラザが使用された。公開前には比較的低い期待が寄せられていたが、最終的には興行収入が約1億4千万ドルを上げた。

ストーリー

クリスマス・イヴ、マクレーンは日系企業のナカトミ商事のクリスマス・パーティーに参加していたが、突如として現れたテロリスト達に占拠されてしまう。彼らの目的は、ナカトミビルの金庫に保管されている6億4千万ドルの債券を奪うことだった。テロリストが人質を取る中、マクレーンはビルの中で一人だけ生き残る。

マクレーンは、消防設備を使って外部と連絡を試みるが、ハンスはその行動に気づいて銃撃戦を繰り広げる。警察やFBIが出動し、事態はさらにエスカレート。マクレーンは、己の人間性と能力を駆使し、次々とテロリストを撃退し、最後はグルーバーとの壮絶な対決に臨む。この物語は、マクレーンがいかに困難な状況にも屈せず自らの運命を切り開くかを描いている。

登場人物

• - ジョン・マクレーン（ブルース・ウィリス）：主人公でニューヨーク市警の刑事。クリスマス・イヴにロサンゼルスで妻と再会するが、テロリストと対峙する。
• - ハンス・グルーバー（アラン・リックマン）：テロリストのリーダーで冷酷な性格。知識と計画性を兼ね備えた巧妙な悪役。
• - ホリー・ジェネロ＝マクレーン（ボニー・ベデリア）：マクレーンの妻でナカトミ商事の重役。人質として捕らえられる。

映画の影響

『ダイ・ハード』は、単にアクション映画の枠を超え、クリスマス映画としても観られることがある。そのユニークな視点は多くの後続作品に影響を与え、「ダイ・ハード形式」と呼ばれるジャンルを確立した。この手法は、決まった狭い舞台での緊張感あふれる物語展開を味わわせるものであり、他にも『スピード』や『エアフォース・ワン』などの映画に引き継がれた。

また、現代ではウィリスの形象が再演されたり、リックマンが記憶に残る悪役としてしばしば引用されることになる。さらに、本作は多くのメディアに取り上げられ、ゲームやパロディの対象にもなるなど流行に乗った。

このように『ダイ・ハード』はアクション映画の金字塔として多くの観客に愛され、今日に至るまで語り継がれている。

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