ダブル・キッチン

ダブル・キッチン

『ダブル・キッチン』は、1993年4月から6月にかけて、TBSの「金9ドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマです。この作品は、二世帯住宅における嫁姑間の衝突や、家庭内のドタバタをユーモラスに描き出しています。当時の話題を反映して嫁姑同居のストーリーが多くの視聴者に支持されました。

概要

ドラマは、主人公であるキャリアウーマンの都が、夫の忍とともに姑真知子、そしてその家族と同居する様子を中心に展開します。一見平和に見える家庭内ですが、現代的な価値観を持つ都と、伝統的な考えを大切にする真知子の衝突が物語を面白くしています。特に、同居する中で日常的に起こる小さなトラブルや誤解が、コミカルに描かれているのが特徴です。

主演の山口智子と高嶋政伸は、前作『いとこ同志』でも夫婦役で共演していますが、その時は視聴率が低迷していました。しかし、TBSのプロデューサーである貴島誠一郎の巧みな企画のおかげで、今度は山口を前面に押し出す形で新たなスタートを切り、高い注目を集めました。結果として、平均視聴率は22.3%、最終回には30.7%を記録し、90年代のTBSドラマの代表作となりました。

シンボリックなシーン

ドラマの象徴的なシーンとして、都が部屋にある物にあたる様子と真知子が鼓を叩く姿が交互に映し出される場面が毎回登場します。この演出は、嫁姑関係の複雑さを強調し、視聴者の共感を得る要素となっています。このスタイルは、後に放送される『トリプル・キッチン』や『地獄の沙汰もヨメ次第』にも受け継がれています。

あらすじ

物語は、出版社に勤めるキャリアウーマンの都が、スキューバダイビングを通じて出会った夫・忍との結婚を決め、二世帯住宅で彼の家族と同居を始めるところから始まります。都は忍とともに新たな家庭を築こうと奮闘しますが、彼を取り巻く啓三や真知子、そして妹の静との様々な衝突が日々の生活をより複雑にしていきます。
都と真知子は互いの考え方の違いからしばしば対立するものの、子供が生まれることで徐々に関係が和らいでいくのが大きな見どころです。このストーリーは、家庭や親子の絆、働く女性の苦労をリアルに描写し、視聴者に共鳴をもたらすことに成功しました。

キャスト

花岡都（山口智子） - 主人公で、出版社に勤めるキャリアウーマン。姑との衝突が多い。
花岡忍（高嶋政伸） - 都の夫で、優しさと優柔不断さを併せ持つ。
花岡真知子（野際陽子） - 忍の母で、伝統的な価値観を持つ強い女性。
寺田ユウノスケ（佐野史郎） - 静の夫で、お調子者の売れないミュージシャン。

この他にも多様なキャラクターがおり、各々が物語に深みを持たせています。

放送と反響

『ダブル・キッチン』は、その高視聴率から、多くのファンを魅了し、様々なメディアで取り上げられることとなります。特に、スペシャル版では、家族旅行をテーマにしたエピソードが放送され、キャラクターたちの新たな一面が描かれることによりファンの期待に応えました。
その後、2007年にはDVD-BOXとしてリリースされ、再評価が進んでいます。この作品は、今なお多くの人々に愛されており、日本のドラマ史の中でも特に記憶に残る名作と言えるでしょう。

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