ダミアン・ライス

ダミアン・ライス（Damien Rice、1973年12月7日 - ）は、アイルランドを代表するフォークシンガーソングライターです。

生い立ちと初期の活動

ダブリン郊外で生まれ育ったライスは、幼い頃から音楽に親しみ、ジュニパーというロックバンドを結成し、ボーカルとソングライティングを担当していました。ジュニパーは1997年に大手レコード会社と契約を結びますが、ライスは2枚のシングルをリリースした後、バンドを脱退します。

放浪と音楽性の確立

1999年、ライスはイタリアのトスカーナに移住し、ヨーロッパ各地をアコースティックギターを片手に旅をしながら、ストリートパフォーマンスで生計を立てました。この放浪の経験が、彼の音楽性に大きな影響を与えたと言われています。

1年後、ダブリンに戻った彼は、資金を借りてデモ音源を制作し、ビョークなどのプロデューサーとして知られるデヴィッド・アーノルドに送りました。アーノルドはその才能に惚れ込み、ロンドンでのレコーディングを提案しますが、ライスは自宅でのレコーディングにこだわったため、アーノルドは彼の移動式スタジオの設置を援助しました。

デビューアルバム『O』と成功

ライスは8トラックのレコーダーを使い、デビューアルバム『O』を完成させ、2002年2月にリリースしました。このアルバムはアイルランドのアルバムチャートで2位を獲得し、その後、イギリスやアメリカなど、世界各国のチャートで上位にランクインする大ヒットとなりました。繊細な歌声と感情豊かなメロディーが、多くの音楽ファンを魅了しました。

その後の活動

2005年には、トーリ・エイモスのアルバムに参加し、デュエットを披露。2008年には、レナード・コーエンのダブリン公演でオープニングアクトを務めましたが、その後しばらくライブ活動を休止しました。2011年には、U2のトリビュートアルバムに「ワン」のカバーを提供し、2014年にライブ活動を再開。8年ぶりとなるアルバム『マイ・フェイヴァリット・フェイデッド・ファンタジー』をリリースしました。

日本との関わり

2007年には、FUJI ROCK FESTIVALに出演するために初来日する予定でしたが、急病を理由にキャンセルしました。しかし、その背景には、日本の捕鯨問題に対する抗議があったと言われています。実際、フェスティバルのパンフレットには、ライス直筆の「Don't kill my brother & sister」というメッセージとクジラのイラストが掲載されました。

社会活動

ライスは、反捕鯨活動家としても知られており、動物愛護や環境保護に関する社会的な活動にも積極的に参加しています。

彼の音楽は、個人的な感情や社会的なメッセージを織り交ぜた、深く感動的なものです。その独特な世界観は、多くの人々に共感と感動を与え続けています。

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