ダリア・グリバウスカイテ

ダリア・グリバウスカイテ：リトアニア初の女性大統領

ダリア・グリバウスカイテ（Dalia Grybauskaitė）は、1956年3月1日生まれのリトアニアの政治家であり、2009年から2019年まで同国の大統領を務めました。リトアニア初の女性大統領として、国内外で大きな注目を集めました。

生い立ちと学歴

グリバウスカイテは、ヴィリニュスの労働者階級の家庭に生まれました。幼少期からスポーツに親しみ、バスケットボール選手としても活躍しました。レニングラード国立大学（現サンクトペテルブルク大学）で政治経済学を学び、その後、社会科学の博士号を取得しています。また、ジョージタウン大学で国際関係学の研究にも携わりました。

政治家としてのキャリア

リトアニア独立後、グリバウスカイテは国際経済関係省や外務省で要職を歴任し、EU加盟交渉にも携わりました。駐米リトアニア大使館公使、財務副大臣、外務副大臣を経て、2001年には財務大臣に就任。EU加盟後の2004年には、欧州委員会委員として文化・教育担当、財政計画・予算担当を歴任しました。

欧州委員会委員としての活動

欧州委員会では、予算配分の重点を研究開発分野に移すなど、EUの競争力強化に貢献しました。EU予算を「21世紀の予算ではない」と批判し、農業分野への偏重を是正する姿勢を示しました。2005年には、その功績が評価され、『European Voice』誌の「今年の委員」に選ばれています。

大統領として

2009年、グリバウスカイテは大統領選挙で圧勝し、リトアニア初の女性大統領に就任しました。就任後は、給与を半分にすることを表明し、国民からの支持を集めました。大統領として、スウェーデンやラトビアを訪問し、国際協調を重視する姿勢を示しました。

2014年の大統領選挙でも再選を果たし、2期10年を務め上げました。在任中には、カール大帝賞を受賞するなど、そのリーダーシップは国際的にも高く評価されています。

人物像

グリバウスカイテは、その毅然とした態度から「鉄の女」と称されることがあります。リトアニア語のほか、英語、ロシア語、ポーランド語、フランス語にも堪能であり、国際的な舞台で活躍するための高い語学力を持っていました。財政危機への対応を巡り、リトアニア政府を批判するなど、時に厳しい姿勢も見せましたが、常に国家の利益を最優先に考える政治家でした。

退任後

2019年に大統領を退任した後も、グリバウスカイテは国内外の様々なフォーラムで講演を行うなど、活発な活動を続けています。リトアニアの発展に貢献した政治家として、その功績は長く記憶されることでしょう。

関連情報
Dalia Grybauskaitė (@grybauskaite_lt) - X（旧Twitter）
Dalia Grybauskaitė (D.Grybauskaite) - Facebook

もう一度検索