ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー

ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー：歴史とコレクションの魅力

ダリッジ・ピクチャー・ギャラリーは、ロンドン南部のダリッジにある美術館で、その歴史は1817年に遡ります。この美術館は、建築家ジョン・ソーンによって設計され、イギリスで最初に一般公開された美術館の一つとして知られています。その特徴的な建築様式は、自然光を効果的に取り入れた続き部屋の展示室であり、これは後の美術館建築に大きな影響を与えました。

コレクションの起源

コレクションの基礎は、画商フランシス・ブルジョワとノエル・デザンファンが1790年代にポーランド国王スタニスワフ2世アウグストの依頼で収集した絵画です。しかし、ポーランド分割によって依頼主がいなくなり、コレクションは売却が難航しました。最終的に、ブルジョワの遺言により、ダリッジ・カレッジに寄贈され、その収蔵のためにギャラリーが設立されました。

重要な作品の追加と盗難事件

1835年には、音楽家一族リンリー家の肖像画が追加されました。また、1966年には、レンブラントやルーベンスなどのバロック絵画が盗難に遭いましたが、数日後には無事に回収されました。特に、レンブラントの小さな肖像画は、複数回の盗難に遭い、「世界で最も盗難された美術品」としてギネス世界記録に登録されています。

ギャラリーの歴史

ギャラリーの建物は、ジョン・ソーンが設計したもので、自然光を最大限に活用した展示室が特徴です。このデザインは、後の美術館建築に大きな影響を与えました。また、ギャラリーには、ブルジョワ、デザンファン夫妻が埋葬されたマウソレウムがあります。第二次世界大戦中には、V1飛行爆弾の被害を受けましたが、その後修復され、再開館しました。近年では、リック・マザーによる増改築が行われ、カフェや教育施設が追加されました。

常設展示と特別展

ダリッジ・ピクチャー・ギャラリーは、17世紀から18世紀のヨーロッパのオールド・マスターの作品を多く所蔵しています。また、カナレット、ポール・ナッシュ、ノーマン・ロックウェルなど、様々な時代の画家の特別展も開催しています。

教育プログラム

教育プログラムにも力を入れており、特に子供や高齢者向けのプログラムが充実しています。地域社会への貢献も重視しており、積極的に教育活動を展開しています。

主要なコレクション

• - オランダ絵画: カイプ、ドウ、ホッベマ、ホーホ、ネール、オスターデ、レンブラント、ロイスダール、フェルデ、ウェーニクス、ワウウェルマンなどの作品を所蔵。
• - イングランド絵画: ドブソン、ゲインズバラ、ホガース、ランドシーア、ローレンス、レイノルズ、コンスタブルなどの作品を所蔵。
• - フランドル絵画: ヘラート、ルーベンス、テニールス、ヴァン・ダイクなどの作品を所蔵。
• - フランス絵画: デュゲ、フラゴナール、ロラン、プッサン、ヴェルネ、ヴァトーなどの作品を所蔵。
• - イタリア絵画: カナレット、カラッチ、グエルチーノ、ラファエロ、レーニ、リッチ、ティエポロ、ヴァザーリ、ヴェロネーゼ、ツッカレリなどの作品を所蔵。
• - スペイン絵画: ムリーリョなどの作品を所蔵。

ダリッジ・ピクチャー・ギャラリーは、その歴史的な背景、建築、そして豊富なコレクションによって、美術愛好家にとって魅力的な場所となっています。教育プログラムも充実しており、地域社会への貢献も積極的に行っています。

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