ダレル・メイ

ダレル・ケビン・メイについて

ダレル・ケビン・メイ（Darrell Kevin May、1972年6月13日生まれ）は、アメリカのカリフォルニア州に生まれた元プロ野球選手で、主に投手として活躍しました。彼のキャリアはメジャーリーグと日本プロ野球を股にかけ、一風変わったエピソードに彩られています。メイは1992年にMLBドラフトでアトランタ・ブレーブスに指名されてプロ入りし、1995年にはメジャー昇格を果たしました。1996年にピッツバーグ・パイレーツに移籍し、その後カリフォルニア・エンゼルスへと所属チームを変えました。

日本に舞台を移すきっかけとなったのは1998年、阪神タイガースへの加入です。この年、彼は6月6日に札幌円山球場にて横浜ベイスターズ戦で日本での初勝利を手にしました。阪神では先発投手としての地盤を固めたものの、打線の支援に恵まれず、2年間でわずか10勝という厳しい成績に終わりました。

特に印象的な場面の一つは、1999年5月29日の東京ドームでの試合です。このゲームでは、メイが松井秀喜に死球を与えた際に、松井が怒りを露わにし、球場全体が静まり返るという緊迫した一幕がありました。松井がその後の試合でサヨナラ三塁打を放つなど、試合の流れにも影響を与えた出来事でした。

メイはその後、巨人に移籍し、2000年には12勝を挙げる活躍を見せました。この年の後半には、過去のチームメイト和田豊に対して頭部に投球したとして物議を醸す場面もありましたが、結果的にはリーグ優勝に貢献しました。2001年も10勝を記録し、彼の日本での成功は確立されました。

2001年11月、メイはメジャー復帰を望み、カンザスシティ・ロイヤルズと契約を結びました。その後、数チームを渡り歩き、2004年には19敗を喫する難しいシーズンを経験しましたが、2005年にはサンディエゴ・パドレスに移籍し、さらにニューヨーク・ヤンキースにも在籍しました。

2006年にはシンシナティ・レッズ傘下でプレーし、その年をもって現役を引退しました。引退後は大学野球のコーチとして後進の指導にあたります。彼の性格は浮き沈みが激しかったものの、チームメイトとの関係は良好でした。特に阪神時代には藪恵壹との親しい友情があったことが知られています。

メイは平然と野村監督への批判を公にしたことでも知られていますが、それでも阪神がリーグ優勝した際には祝福のコメントを寄せるなど、意外な一面も持ち合わせていました。また、日本プロ野球界において彼のスタイルや思考は賛否を分けるものでしたが、どんな状況でも自分の投球スタイルを貫き通しました。

彼はロージンバッグを使用した後に掌に唾を吐く独特の癖があり、この動作が時に疑念を呼ぶこともありましたが、本人はそれを意に介さず続けていたようです。 終わりに、2020年に野村克也が逝去した際には、哀悼の意を表すコメントを残し、故人に対する敬意を示しました。

ダレル・メイは、そのユニークなキャリアと波乱の人生で、野球の歴史に名を刻んでいます。

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