ダーウィン・クビアン

ダーウィン・アリクソン・クビアン・サロム：異色の経歴を持つベネズエラ出身のプロ野球選手

ダーウィン・アリクソン・クビアン・サロム（Darwin Harrickson Cubillán Salom）は、1972年11月15日生まれ。ベネズエラ出身の元プロ野球選手（投手）です。彼の野球人生は、一般的なプロ選手とは異なる、異色の経歴を持っています。

サッカーから野球へ：19歳での転身

クビアンが野球を始めたのは19歳と、プロ野球選手としては非常に遅いスタートでした。それまではサッカーのゴールキーパーとして活動していました。しかし、知人がニューヨーク・ヤンキース・アカデミーにいた父親の勧めで同アカデミーで投球を試みたところ、146km/hの球速を記録。その才能を見出され、2,000ドルで契約を結び、野球の世界へと足を踏み入れました。

メジャーリーグでの経験

2000年には、トロント・ブルージェイズでメジャーリーグに初昇格を果たしました。しかし、メジャーでの活躍は長くは続きませんでした。

阪神タイガースでの挑戦

2004年オフ、クビアンは日本での活躍を求め、阪神タイガースの秋季キャンプに参加。入団テストに合格し、阪神に入団しました。登録名は、名字の「クビアン」が馘首を連想させることと、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンにあやかって「ダーウィン」となりました。本人は「クビアン」を「敵の首を狩る」という意味で捉え、名字での登録を希望していたというエピソードも残っています。

2005年は、選手層の厚さから一軍での出場機会は限られていましたが、ウエスタン・リーグでは9勝を挙げ、最多勝を獲得しました。

2006年には、JFKトリオの一角であるジェフ・ウィリアムスの故障離脱により、中継ぎ投手として活躍。さらに、久保田智之の故障による投手陣再編で、先発としても起用されました。しかし、先発としてはなかなか結果を残せず、再び中継ぎに戻りました。49試合に登板し、防御率3.79という成績を残しましたが、好不調の波が激しく、安定感に課題を残しました。オフには、阪神残留が決まっていながら、他球団が興味を示していることが報道されました。

2007年は、エステバン・ジャンとライアン・ボーグルソンの加入により、外国人登録枠の関係で二軍暮らしが長かったものの、ジャンの登録抹消後は一軍に定着。中継ぎとして、渡辺亮・江草仁貴らと共に、リード時・ビハインド時問わず登板。ローテーションの谷間では先発もこなすなど、様々な役割を担いました。しかし、チームは3位に終わり、先発投手陣の補強が急務とされたことや、中継ぎ中心の投手としては比較的高年俸だったことなどから、戦力構想外となり、シーズンオフに自由契約となりました。

韓国、メキシコ、そしてイタリアへ

阪神退団後の2008年1月14日、クビアンは韓国プロ野球のSKワイバーンズに入団。しかし、3試合に登板し1勝2敗、防御率12.86と結果を残せず、4月24日に退団しました。その後は、メキシカンリーグのメキシコシティ・レッドデビルズと契約し、シーズン途中でオアハカ・ウォーリアーズに移籍。2010年には、メキシカンリーグのチワワ・ゴールデンズに在籍しました。

2011年から2013年は、イタリアンベースボールリーグのT&Aサンマリノと契約。一度退団するも、2015年に再びサンマリノに復帰。2016年は、リミニ・ベースボールクラブに所属しました。

プレースタイル

最速150km/hを超えるストレートは球威があり、チェンジアップやナックルカーブなどの落ちる変化球、スライダーなど、多彩な球種を操る投手でした。

まとめ

クビアンは、19歳という遅いスタートながら、メジャーリーグ、日本、韓国、メキシコ、イタリアと、様々な国でプレーした、国際色豊かな野球人生を送りました。阪神タイガースでの活躍は、彼のキャリアの中でも特に印象深いものとして、記憶されています。

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