ダーク・シュナイダー

ダーク・シュナイダー：暗黒の破壊神の主人公

ダーク・シュナイダー（D・S）は、萩原一至による漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』に登場する主人公であり、400年以上生きる伝説の魔導師です。自らを「超絶美形魔法使い」と称し、その自信に違わぬ実力を持っています。

人物像

D・Sは傲岸不遜で傍若無人な性格ですが、それは圧倒的な力に裏打ちされたものです。他人に服従することを極端に嫌い、常に自由を求めています。敵に対しては容赦なく、時に残忍な手段も厭いません。その出自は「悪漢」であり、少年誌の主人公としては異質な存在です。

D・Sは、普段はルーシェ・レンレンという純朴な少年の姿で封印されています。しかし、封印が解かれると、かつて「邪悪な魔法使い」「魔人」と呼ばれたD・Sとして覚醒します。転生後も世界征服の野望を抱いていましたが、周囲の説得やルーシェの人格の影響を受け、その力を人々のために使うようになります。

数々の戦いを経て、D・Sは仲間の死に涙し、人々を庇うなど、愛情深い一面を見せるようになります。かつての荒々しさは影を潜め、陽気な面も目立つようになります。特に、姉弟のように育ったヨーコを深く愛しており、彼女の涙ながらの説得には逆らえません。しかし、女好きである点は変わらず、周囲の女性にセクハラを繰り返しては、ヨーコの鉄拳制裁を受けています。

D・Sは、口では「家来」と呼ぶ侍衆や魔戦将軍達を、心の中では「仲間」と大切に思っています。また、自身とは正反対の冷静で理知的な人物を好む傾向があります。身長の高い人物を嫌うという一面もあります。

魔術と技

D・Sは、数々の強力な魔術・技を操ります。以下はその一部です。

爆霊地獄（ベノン）: 混沌の領域の門を開き、邪悪な物質を呼び出すオリジナル呪文。
鋼雷破弾（アンセム）: 必中の光弾を放つ光系・精霊魔術。
天地爆烈（メガデス）: 地と風の精霊の力を融合した破壊的な力場。
七鍵守護神（ハーロ・イーン）: 7つの魔界の門を開き、魔力を放射する古代語魔術。
皇龍破（マー・ノー・ウォー）: 黄金の三つ首竜を召喚し、敵を滅ぼす召喚魔術。

これらの他にも、D・Sは多種多様な魔術・技を使いこなし、強敵との戦いを繰り広げます。

設定

D・Sは、元々は「魔操兵戦争（ゴーレム・ウォー）」を引き起こした張本人でした。しかし、五英雄の一人である「竜王子」ラーズ・ウル・メタ=リカーナとの決戦で命を落とし、転生の秘術によってルーシェ・レンレンとして生まれ変わりました。その後、ジオ・ノート・ソートによって封印され、メタ＝リカーナ王国の切り札として解放されたのです。

物語が進むにつれて、D・Sは旧世界の文明によって創造された存在であることが示唆されます。また、ルーシェの正体が堕天使ルシフェルであったことも明らかになり、その存在には多くの謎が隠されています。

竜戦士（ドラゴン・ウォーリアー）

D・Sは、対天使・対悪魔兵器である機神「竜戦士」を稼働させるように設計されています。「魔操兵戦争」では、「試作型竜戦士プロト・ワン」が出現し、勇者ラーズとの戦いの末にD・Sは滅ぼされました。「罪と罰編」以降では、複数の「竜戦士」が登場し、D・Sと深く関わっていきます。

ユダの痛み（ジューダス・ペイン）

D・Sの心臓には、地獄の門の鍵の一部である「ユダの痛み」が宿っています。「背徳の掟編」では、D・Sは7つの「ユダの痛み」を持ち、その力によって上位の天使や悪魔と同等の力を発揮します。「平行励起」状態では、悪魔のような姿に変貌し、魔神に近い存在となります。

暗黒のアダム

悪魔王サタンは、D・Sを「闇の救世主」「暗黒のアダム」と呼びます。D・Sは、悪魔側の勢力からは「反・救世主（アンテ・クリスト）」と呼ばれ、「神」が遣わす悪魔を滅ぼすための「救世主」に相対する者として位置づけられています。

容姿・肉体

D・Sは、筋肉質で大柄な体格をしていますが、引き締まった細身のスタイルです。白金色のロングヘアーと、猫のように縦長の瞳孔が特徴的です。自らを「超絶美形」と称していますが、その容姿は確かに整っています。

戦闘中に衣服が破ける描写が多く、裸体を晒すことも珍しくありません。また、自身の股間の一物に相当な自信を持っている様子が描かれています。

D・Sは、非常にタフな肉体を持っており、腕の欠損などを短時間で再生することができます。自ら心臓をえぐり出したり、下半身を失ったりしても復活するなど、不死身に近い存在です。「背徳の掟編」では、首から下の全身を失っても死ぬことはなく、「ユダの痛み」の「平行励起」状態では頭部を失っても瞬時に再生します。

声優

矢尾一樹（ドラマCD、OVA版）
森川智之（DAXEL版パチスロ）
小西克幸（CRバスタード）
* 谷山紀章（Webアニメ版）

D・Sは、その複雑なキャラクター性と圧倒的な力で、多くのファンを魅了し続けています。

もう一度検索